2005年 09月 21日
養豚業を経て、本場ドイツで製法を学び、1990年からハム作りをはじめる。
食肉加工で大事なのは肉の鮮度。
新鮮なものを使うとドリップが出ず、いいものができる。
ベーコンやハムは、塩せき(塩や香辛料などに漬け込むこと)、乾燥、燻製をしてできあがり。
食品衛生法に基づき、中心部が68度で、30分の加熱をしている。
豚肉は、十分に加熱しなければいけないというイメージがあるが、63度で加熱すると、食中毒の原因となる細菌は死滅する。
ハム作りと切っても切れないのが亜硝酸塩である。
添加する理由は食中毒予防のためで、一般的に言われている発色は二義的なもの。
ハム作りを始めたころは、添加物を全く加えないで作ろうと思っていたが、無添加ではボツリヌス菌の食中毒の危険に加え、ハム独特の風味が出ない。現在当社では、最低限必要な量だけ添加している。
亜硝酸塩自体に毒性はないこと、大根の葉や岩塩などに含まれている硝酸塩は口に入れると亜硝酸塩に変わるが、その量はハムよりもはるかに多いということなど、ぜひ正確な知識を知ってほしい。
また、リン酸塩は、当社のハムには使用していない。
保水性を高める働きがあるリン酸塩を使用してタンブラーで回転させると、水増しされたハムができるが、これらはあまりおいしくなく、肉のうまみが落ちる。
ドイツで行われた国際食肉産業見本市で、金賞を受賞した、ビアシンケン(ハムに似たソーセージ)と、レンダーブルスト(粗挽きソーセージ)を試食。ついまた手が出るおいしさです。
このように、当社では、必要なところに必要な量だけ添加物を使用しながら、安心しておいしく食べられるものをお客様に提供したいと思っている。毎週日曜に、無添加の手造りソーセージ教室を開催しているので、ぜひ一度糸島に遊びに来てほしい。