2004年 03月 21日
原稿執筆者:加藤 徳子
1月、2月の平均気温が-1℃のような寒い地域で、マイホームを持つことのテーマは「暖かい家」でした。
そこで最近よく耳にする高気密・高断熱住宅について調べ、それには空気を汚さないという点からオール電化が適しているということを知りました。
また、私の住む青森県浪岡町では、暖房・給湯は灯油、ガスコンロはプロパンガス、その他は電力というエネルギー供給が一般的です。更に、上水道代、浄化槽の点検費で、毎月の光熱費に関する請求書は計5つにもなるのです。大阪生まれの私としてはとても煩雑だと感じていました。
やはりこれはオール電化しかないと結論しました。
実際に住んでみて最初の目標である暖かい家という点は、充分にクリアしました。我が家の間取りは1階はすべて仕切りがありません。玄関から入ると部屋中が見渡せるようになっています。それでも隅々まで寒くないのです。それは24時間換気システムが働き、家中の空気が少しずつ換気され動いているからです。そのメリットは暖かいだけでなく、窓の結露を防ぐ効果もあります。これは室内の空気がたえず流動しているからで真冬でもほとんど結露はしません。また冬は洗濯物は部屋干をするのですがこれも空気が動いているために1日で乾いてしまいます。
欠点もあります。11月など暖房を入れるが外に雪がない季節は部屋が乾燥し、湿度は30%位になっていることもあります。12月に入り外に積雪があると湿度は40-50%で適度になります。

上記のグラフが月別電気代です。これは一般の照明、その他電気製品、IHクッキングヒーター、温水器、冬の暖房費が含まれます。
冬季は電気使用量のほとんどが夜間電力であることがわかります。熱を作り出す、つまり暖房、給湯のエネルギー源を電気にするということはいかに電気を多く使うかということを感じます。
暖房を使わない5月から9月の電気代が5000円以下でかなり安いのが目に付きます。これは特約(5時間通電機器割引=うちの場合6100円割引)が適用されているからで、 これらの契約等は各電力会社によって異なります。
また我が家は夫・妻・子供(1歳)の小人数の家族なので照明等の電気の使用量もごく少ないです。
これはとても重いレンガのようなものがその機器に入っていて、それが夜中に通電されることによって熱(最高600度位)をためます。
この機器には強制対流方式と自然対流方式の2種類あります。
前者は、サーモスタットがついて、室温が設定された気温より低くなると、ファンが作動し温風が足元から吹き出されます。これはリビングにあります。
後者は、送風機能がなく自然放熱だけで部屋中を暖めます。こちらは寝室や子供部屋にあります。我が家では強制対流方式の暖房器が4kWh、3kWhの2つ、自然対流方式、2.2kWhが4つあります。

リビング出窓の下にある強制対流方式の蓄熱暖房器
これらが最も蓄熱された場合機器を手で触ったときの熱さは、火傷をするほどではありませんが熱くてすぐに手を引っ込めるほどの熱さではあります。

玄関の自然対流式の蓄熱暖房器
つまり、小さい子どもが触っても火傷はしませんが、自分では動けない赤ちゃんや寝たきりのお年寄りがそばで寝かされるのには適さないと思います。
東北電力のパンフレットにはこの暖房器の説明として「空気を汚さず気になる燃焼音もありません」とありますが、確かにこれは送風されるときの音以外は何もありません。
この暖房システムの欠点があります。寝る前に翌日の日中の温度を天気予報などから予測して、どの位蓄熱(100%、70%、40%、OFF)するかをセットします。たとえば次の日は暖かそうだから蓄熱は40%にしておこうと寝る前にセットします。でもその予測が外れ、寒くてもっと暖房を強くしたいと思っても、1時から6時までの間しか通電されないので、出来ないのです。
充分量を蓄熱すれば良いのでしょうが、あまりしすぎると翌日の日中が暑くて窓を開けることになり、電気はもったいないです。この蓄熱の調節が慣れるまでは難しかったです。
どうしても寒いときはセラミックファンヒーターを使います。これは電気代が高くつく機器ですが、しばらくつけていれば暖かくなるので応急処置的にはこれが便利です。


| 熱源 | IH | IH | IH | ラジエント |
| 電気量 | 3kwh | 2kwh | 1kwh | 1.2kwh |
| 沸騰までの時間 | 3分10秒 | 4分45秒 | 7分40秒 | 9分10秒 |

「深夜電力で電気代が安い」というような宣伝文句は聞いたことないですか? 確かに夜間電力は安いです。
【電気料金の一例:東北電力・やりくりナイト8】
| 7時から23時 | 23時から7時 | |
| 1kwhあたりの料金 | 24円85銭 | 5円85銭 |
これは料金の一例ですが夜間の料金は昼間の4分の1程度です。
しかし昼間料金は実はこれは普通の料金より2割ほど高くなっています。その点についての電力会社の説明はあまりなされていないと思います。
また電気料金の契約形態は複雑でどれが一番自分にあっているか見極めるのが難しいです。
うちの場合はオール電化住宅に慣れた工務店にお願いしていたので、これまでの経験から最も安くなるであろうシステムを組んでもらえたと思っています。
これから導入を考える方は、電力会社とハウスメーカー・工務店の両方の意見を聞くことが大事だと思います。
青森県内ではオール電化住宅戸数は年々増えています。平成7年度には新規で131戸累積1032戸だったのが平成14年度には新規が994戸累積4477戸です。
電力会社は夜間の電力をここまで安くしてもオール電化住宅をすすめるのはどうしてだろうと考えました。
それは昼間に必要とされる電力量を生産するだけの施設・設備があるのに夜間は需要がなく効率的に使われていないからです。これは電気はためておけないからで、これを解決する方策としてためられない電気を熱に換えて貯めるというシステムを各家庭で行っていることになります。
電力会社の宣伝効果でこれからもオール電化住宅がまだまだ増え続け、夜間の余剰電力に余裕がなくなっても、今のままの 「安い夜間電力」で供給されるのかは疑問に思います。
また電力の生産には原子力発電が不可欠でオール電化で暮らす以上これらの事に無責任・無関心ではいられません。またIHヒーターから出る電磁波に関する安全性もいまだ確かなものはなく、今後も研究を要します。
このようにまだ発展途上ともいえるオール電化住宅ですが、いまのところ決定的な不便は感じておらず満足しています。