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くらしにプラスレポート

私の意見『脱「大量消費、大量リサイクル」元から絶って、ながーく愛して!』

原稿執筆:消費生活アドバイザー 寺田 奈津恵

1.「大リサイクル時代到来!」

最近、「リサイクル」という言葉を新聞やニュースで、非常によく見聞きするようになったと思いませんか?
今回は、リサイクルのこれからについて考えてみたいと思います。

 

ここ2年ほどの間に、資源有効利用促進法(改正リサイクル法)に基づいた法律が次々とが施行されました。
たとえば、家庭ごみの大部分を占める包装容器を、きちんと分別収集し、企業にそのリサイクルを義務付ける「包装容器リサイクル法」。
レストランなどから出る残飯をそのまま捨てずに、堆肥等に再利用する
「食品リサイクル法」。
その他「グリーン購入法」、「家電リサイクル法」などがあります。

 

その背景には、もう後にはひけない「ごみ問題」があるのをご存知の方も多いでしょう。ごみの埋め立ての最終処分場の残余年数はあと数年といわれています。もうリーチがかかっているのです。
今後も、自動車、衣料品、パソコンなど、次々とリサイクル義務が法制化するようです。

 

一方、街ではどうでしょう?
私たちが特売で買うトイレットペーパーは、再生紙100%使用のものが、一般的になっていますよね。ペットボトルからできた再生繊維でできたフリース、無印良品の再生紙文具など、「環境に優しい=シンプルでかっこいい」という感覚で、以前に比べ、リサイクル品のイメージは格段にアップしているのではないでしょうか。
さらに、積極的にリサイクルにとり組む企業もでてきました。たとえば、「ユニクロ」は昨年、不要になった自社のフリースを店舗で引き取るサービスをしていました。もちろん回収されたフリースは再生利用されるわけです。

 

私たちの生活のごく身近なものから、ごみを減らし、資源を繰り返し使っていこうという「循環型社会」への取り組みはかなり進んでいるといえるでしょう。
 
 
 

2.「リサイクル」という名の免罪符

確かに、不要になったモノをただごみにしないということは循環型社会の重要なポイントです。

 

でも、本当にそれだけでいいのでしょうか?
いま、私たちは「いらなくなったら、リサイクルにまわせば大丈夫」という感覚でモノを消費してしまっていないでしょうか?
大量に消費し、大量にリサイクルする。
一見正しいようですが、全てのものがリサイクル率は100%ではないから、ごみになる分も増えてくる。それに、リサイクルされたものもまた、いつか不要になるときが来るわけだから、リサイクル品もだぶついてしまうでしょう。
さらにリサイクルの過程でも、貴重なエネルギーを消費しているのです。

 

そのよい(悪い!?)例がペットボトルでしょう。
ペットボトルはリサイクルの優等生といわれますが、節操なくこのまま利用が続けば、劣等生になってしまいます。
 
 
 

3.ちょっと待て、衝動買いのその前に

話はちょっと変わりますが、 私の実家は、以前家電屋を営んでいて、父はいつも修理に飛び回って大忙しでした。
 

大晦日の夜に、テレビが壊れたというお客さんに「紅白が見られない!」なんて呼び出されたり、冷蔵庫の修理では、裏に住む「ごきちゃん」と格闘したりと、笑えるような笑えないようなエピソードも多々あります。
今では、モデルチェンジが非常に早いし、修理代より海外から入ってくる家電を買ったほうが安いですよね。家電も使い捨ての時代というけれど、でもそれはおかしな話です。
父はお客さんの買い替えで不要になった家電製品を次々と生き返らせて、我が家で使えるようにしてくれました。
だから、うちには中古の家電製品ばかりだったけれど、私は、子供心に、何でも直してしまう父の手を「すごい」と思っていました。

 

家電製品リサイクル法が施行されてまもなく1年ですが、不法投棄が大幅に増えていると聞きます。
後払い方式が災いしたのでしょうか?モラルの問題ですよね。
父のことを思い出すと、とても悲しい気持ちになります。

 

そんな折、先日「これはいい!」と思える情報を新聞で発見しました。
イトーヨーカ堂が、一人暮らしを始める人向けに、家電レンタルサービスを始めたというニュースです。
そろそろ新生活の準備の季節ですが、いろいろ必要なものはあるけれど、家電製品の出費は痛いもの。
このサービスは、全自動洗濯機、2ドア冷蔵庫、15型テレビ、電子レンジの4点セットを2、3、4年で契約で貸し出し、料金は1ヶ月3500円から4500円。
年間を通じて申し込めるし、配送、回収はもちろん、修理まで無料というのもうれしいですよね。
一人暮らし用だけではなく、もっと幅広く家電のレンタルが広まるといいなと思います。
さらに、新品だけでなく、使えるけれど不要になった家電製品を、引き取ってレンタルに利用するのもいいですよね。

 

新品を安易に買って、安易に捨てる「リサイクル依存社会」にならないためには、私たちが、欲しいと思ったものをすぐに購入する前に、他に手に入れる方法がないか、よく考えてみることが大切です。

 

レンタルやフリーマーケットはもちろん、私もよく利用する地域のミニコミ誌の「譲ります、譲ってくださいコーナー」、市役所などの不用品登録も結構ヒットします。
それから、親戚や友人に「いらないのあったらちょうだい」と聞いてみるのも手ですよ。意外と身近なところにあったりするものです。

 

新たにごみになるものをなるべく作り出さずに、ものの寿命を伸ばしてあげることが、これからの消費の基本スタンスになっていけばいいと思っています。
 
 
 

4.ずっと地球があるために

みんながモノを買わなくなったら、経済は発展しなくなるのではという気もします。だけれど、このまま永遠に発展が継続してモノがあふれかえるのがよいとも思えません。

 

たとえば、もう老若男女みんな持ってるケータイやPHS。
次々と新機種、新機能が出て、すぐに買い換えたり、ただで配られたり。
某環境問題専門家によれば、日本人は平均18ヶ月で新しいものに取り替えるそうです。
古いものは当然ごみになってしまうわけです。

 

ならば、形態やPHSのハードはそのままで、中身の新機能(ソフト)を後から付加できるようにすればいいと、その方はおっしゃっていました。
これから、経済も地球も継続していくためには、企業は「モノ」を売りつけることから、「サービス」を提供することに発想を切り替えていくべきでしょう。
「モノを早く買い換えさせる」に終始せず、修理しやすい製品作りとか、メンテナンスの充実とか「モノを愛しながら使ってもらおう」と考える企業が増えて欲しいですね。
そのためには、それを後押しする、消費者の姿勢が必要なのでしょう。

 

それでも、どうしても新品が欲しい、早く必要だってときもあります。
私も最初から完璧を目指さず、楽しみながらかつよく悩み(?)モノを買い、使っていこうと思っています。