消費者の声を企業に 企業の思いを消費者に ビスネット

くらしにプラスレポート

私の意見『発泡酒増税(案)について考えてみませんか?』

1.えっ、また増税案が浮上?!

1994年に本格登場した「発泡酒」ですが、1996年には一度、酒税が増税されています。
そして、2001年度税制改正でも「発泡酒への更なる増税」が議論されたことは記憶に新しい方もいらっしゃるでしょう。メーカーの反対はもとより、政府内での反対もあり見送られました。
それがなんと、2002年度の税制改正に向けて財務省から再提案されています。1996年に一度、増税されているにも関わらず、また増税の候補になっているのです。
現在、発泡酒発売メーカー5社(アサヒビール株式会社・キリンビール株式会社・サッポロビール株式会社・サントリー株式会社・オリオンビール株式会社)では、「発泡酒の税制を考える会」を2001年10月9日に設立し、「増税反対の署名活動」を行っています。
http://www.happoshu.com/

私達、消費者も酒税について少し考えてみてはいかがでしょうか? 

 

2.酒税(発泡酒・ビール)のミニ解説

発泡酒は、麦芽比率がビールと異なるため、課税も異なっています。


   (表1)種類別の酒税                    注:太字は前回に増税された部分

種 類 定められた麦芽比率の範囲 以前の酒税(1KL) 現行の酒税(1KL)1缶当り(350ml) 
ビール67% ≦ 麦芽比率222,000円222,000円77.7円
発泡酒 A50% ≦ 麦芽比率 > 67%152,700円222,000円 77.7円 
発泡酒 B 25% ≦ 麦芽比率 > 50%152,700円152,700円53.445円 
発泡酒 C麦芽比率 >25%83,300円105,000円36.75円

   
1996年の発泡酒増税で、麦芽比率50%以上、67%未満の発泡酒Aにビールと同額の酒税が課されることになりました。

このため、各社は独自の研究を重ねて、麦芽比率の低い発泡酒を発売する運びとなりました。

そのおかげで、今、私達の選択範囲は広がり、麦芽比率の低いおいしい商品が各社から販売されています。

この秋には、冬向けの商品なども発売されており、お鍋の美味しい季節に楽しみが増えることと思います。

 

 

3.財務省がおっしゃるには・・・

「ビールと発泡酒は原料や製造方法が若干違うだけで、類似したものであるのに、税率が違うのはおかしい。ビールと同等の課税をするべきだ。」と提案しています。

又、「課税対象が細分化されているが、しだいにその税率差はなくなってきている。税負担の公平性や経済取引の中立性のためにも、税率格差を見直す必要がある。」と、発泡酒増税を打ち出しています。

ルール(課税方法)に従って行動してきたものを、覆すような意見に驚かされます。
 

 

発泡酒がビールと同じような味になり、更に独自の味わいももつよう努力したのは発泡酒発売のメーカー各社です。研究開発に、時間も費用も費やしていることでしょう。各社とも、独自の製法で商品を製造し、その売上を競っています。
 
ビールの売上減少・発泡酒の売上急増(=酒税の減収)が背景にあるため、財務省としても「酒税収入を確保する」ために、このような案が浮上してきていると思われます。しかし、発泡酒に増税し、ビールと同様な価格になった場合、今のような売上が達成できるでしょうか?

ビールの売上は伸び悩むでしょうし、発泡酒の売上も頭打ち、もしくは減少するかもしれません。単純に、発泡酒増税=酒税の増収とはならないでしょう。

 

 

4. 消費者・企業への影響は?

「発泡酒」が発売されてからというもの、消費者の選択肢が増えました。

売上が伸びているのも、「低価格」の魅力とともに、各社の開発によって「味」にも消費者が納得したからでしょう。しかし、いくら「味」に納得したといっても、その魅力の一つ「低価格」が増税によって失われてしまったら・・・。ビールと同額では、ほとんどの消費者は「発泡酒」を選択(購入)しないと思います。

 

企業も、今の発泡酒の地位を築くために開発努力をしてきました。開発には多くの時間と費用が投入されていることでしょう。その努力が実を結んだところで、今回の「増税(案)」が浮上してきました。これでは企業も、なんのために開発費を投入したのかわかりません。

このような増税案が急に発生すれば、企業は安心して開発に時間と費用を費やすことができなくなるでしょう。つまり、開発意欲を損なうことになります。企業が開発意欲を失えば、新しい商品・改良された商品を得る機会を、消費者は失います。

「売上が伸びてきたから、増税しよう。」「ビールとほぼ同じ品質なのだから、同じ税率にしよう。」という理由では、消費者も企業も納得できませんね。

 

 

5. 私の意見

税金は、国が成り立ち、私達が生活するために必要なものです。
しかし、その課税方法は公正であり、社会経済の発展を促進する方法であって欲しいと考えます。

今回の「発泡酒増税(案)」は、長い目でみて消費者の選択肢を狭め、企業の開発意欲をなくすものであり、賛成できません。財務省をはじめ政府では、企業が長期的に安心して行動(開発)できる課税案を検討して欲しいと望みます。企業が長期的に行動(開発)することによって、消費者の選択肢も広がり、消費活動も活発になることでしょう。不況といわれるこの時期こそ、長期的展望をもった課税方法を期待します。