2001年 08月 15日
原稿執筆:消費生活アドバイザー 野口 圭子
眼鏡を持っているという人は、サングラスやシニアグラス(老眼鏡)まで含めると数多いと思います。
しかし、この「眼鏡についての情報」はあまり知らないという人が多いことでしょう。
私もその一人でしたが、素敵な眼鏡技術者に出会い、眼鏡について考えるようになりました。
眼鏡店は、定められた基準にしたがって製造されたレンズを使い、製品である「眼鏡」をつくります。
レンズが基準通りにつくられていれば、どの眼鏡店でも同じ商品(眼鏡)が出来あがると思われるかもしれません。しかし、同じフレーム、同じレンズでつくったとしても、眼鏡店の技術力によっては、まったく違う装用感になります。
それぞれ、どのようなことかを個別に説明していきましょう。
| ∞ 眼鏡レンズの基準について ∞ 眼鏡のレンズは、薬事法(第四十二条第二項)の規定に基づき「プラスチック製視力補正用単焦点眼鏡レンズ基準」が定められています。この基準では、形状・外観、強度について定められています。また、「頂点屈折力(球面屈折力・円柱屈折力)」「光学中心の位置」「プリズム屈折力」を、レンズメーターを用いて測定したときに生じる誤差の範囲が定められています。このように、眼鏡のレンズは定められた基準にしたがって製造されています。 |
眼鏡は顔につけるものであり、その人の印象にまで影響を与えるものです。
その人がどのような好みで、またどのようなライフスタイルかということもフレーム選びの参考になるでしょう。
例えば、身体をよく動かす仕事・スポーツが多いのであれば、強度の高いフレームが適しているなど、その基準は人それぞれです。
眼鏡店に技術力のプロがいれば、どのようなデザインが似合うかもアドバイスしてもらうことができます。
個人の例で恐縮ですが、私の場合は「フレームの間隔が狭いものがお似合いです。」と教えてもらい、それまでと違った選択基準がひとつ増えました。
このアドバイスを意識してみたところ、確かに当っており、プロの目の確かさに感嘆しました。
眼科で診断を受け、処方箋を作成してもらえば、それを持って眼鏡店に眼鏡をつくりに行くことができます。
しかし、眼鏡店で検査をして眼鏡をつくってもらうケースの方が多いのが現状です。
では、眼鏡店での検査はどのようになっているのでしょう?
日本では検査方法の統一基準がなく、眼鏡店によってドイツ式、アメリカ式、5分間測定法(日本でみられるスピード測定法)など、それぞれの検査方法で行っているようです。
この検査によって、眼鏡のレンズが決まります。
しかし、技術についての知識がない消費者には、どのレンズが適切なのかは判断できません。眼鏡店の技術力に依存することになるのです。
従って、眼鏡店の技術力が大変重要になってきますが、その検査を行う技術者についても統一基準が整備されていないのです。
医療行為(医者)は、国家資格を取得した人しか行うことができません。しかし、視力を補正する眼鏡については、「眼鏡士」などの国家資格が存在しません。(民間資格としては存在します。)
今のところ国家資格など明確な判断基準がないため、眼鏡店で話をしながら、その人が真の技術者であるかどうか、判断するしかありません。
合わない眼鏡(レンズ)を使っていると、疲れたり頭痛がしたり、身体の不調をきたす場合があります。
眼鏡のプロに安心してまかせられるよう、早急に統一基準など「眼鏡士」の資格整備を望みたいと思います。
| ∞ 補足情報 ∞ 最初に眼鏡を作る場合、又、急に視力が落ちた場合など、視力補正をする以外に「治療」が必要な可能性があります。そのような場合には、必ず眼科を受診するようお勧めします。眼科で視力低下の原因に他の病気がないとわかれば、そこで眼鏡のための「処方箋」を書いてもらい眼鏡店に持参することができます。 |
その人が遠くを見る必要があるのか、手元をよく見る生活をおくっているのかによって、補正する視力が違ってきます。
例えば、パソコンをよく使う仕事をしている場合、視力を補正しすぎるとかえって疲れてしまう場合があります。その辺りの事情を考慮して、技術力のある眼鏡店の場合は相談にのってくれます。
また、少し色のついたレンズにすると、光を防止する働きがあります。パソコン疲れを防止するには○○の色が効果的など、それぞれ特質があるようです。
普段の生活の中で気になる点があれば、眼鏡店で相談してみてはいかがでしょうか?
上記3点は、購入時のことですが、これは眼鏡ができて受け取る場合のことです。
購入時にも装着テストはしますが、受け渡し時にも眼鏡を実際にかけて装着テストを行います。
ぴったりあっていないと、眼鏡がずり落ちたり、耳の後ろがしめつけられすぎたり、快適な装用感が得られません。
また、個人の顔にあわせて調節するため、自分ではわからない微妙な傾きなどもプロは調節してくれます。
どの分野でもそうですが、真の技術力は素晴らしいものだとあらためて思いました。
(おまけ) 真の技術をもった眼鏡店では、メンテナンスも気軽にひきうけてくれるはずです。眼鏡は販売(購入)したら終わりではありません。使っているうちにゆがみがでたり、装用感がかわってくる場合があります。その時には、眼鏡店にメンテナンスをしてもらい、常に良い状態で眼鏡を使用したいものです。 |
夏の日差しに欠かせないサングラス、ファッションとしても用いられるため、雑貨店や駅の店舗などでも販売されているのをよく見かけます。このサングラスについて知りたくなり、眼鏡店にお話をお聞きしました。
「雑貨店などでファッション的に販売されているサングラスの機能はいかがでしょうか?」
「レンズはほとんどアクリルでできていると思います。
アクリルは紫外線を通さないので、UVカットと称して販売していても問題ないと思います。
しかし、アクリルは通常、視力補正用の眼鏡レンズには使用されない粗い素材です。
本来、度数が「ゼロ」であるべき度なしサングラスに、やや近視の度数が入ったり、不正な乱視度数が入っていると目が疲れたり、実像と違うように見えたりします。」
「度数がゼロというのは今まで意識したことがありませんでした。それでは、このような特質を理解した上で、使い分ける必要がありますね。」
「以前、マスコミで濃い色のサングラスは目によくないという説が流れました。」
「私も聞いた覚えがあり、薄い色の方が目にやさしいのだと思っていました。」
「これは情報不足なまま説だけが広まってしまったようです。
濃い色では、紫外線カットが無いと良くないというのが正解です。
濃い色を装用すると、散瞳(瞳孔が径4ミリメートル以上に散大すること。また、散大した状態)します。暗室に入ったのと同じ状態です。そこに直接、紫外線が入るのは良くないということです。濃い色でもUV-CUTしてあれば危険ではありません。」
野口
「そうだったのですね。私も情報不足のまま信じていましたが、勉強になりました。」
眼鏡という視力を補正する大切なものについて、 少し考えてみませんか?
技術的なことまでは理解できませんが、消費者が知ろうとすることによって、
わかりやすい眼鏡に関する情報がもっと増えることと思います。
取材協力 : opt.eyeland
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