2010年 04月 21日

創業から300余年の糀屋本店。
糀がうまみを作りだす素であることに気付いた女将の浅利妙峰氏は、伝統を守り受け継ぐ一方で、新しい視点から糀を見つめなおし、日常的に使える調味料にするための加工法と使い方を提案している。
佐伯の町は、東は豊後水道を望み、西は緑豊かな山々が連なり、海・山の恵みあふれる美しい町。
その中央に位置する城山のふもとにある糀屋本店は、毛利の殿様の船を解体した廃材を使った糀室で、元禄時代から糀を作り続けている。
「こうじ」には“麹”と“糀”の2つの字がある。
麹は、米麹のほか、麦麹、豆麹など、様々な材料で作られるのに対し、糀は、米に花が咲いたように菌がつく様子を表しており、米糀を指す。
糀には、でんぷんをぶどう糖に、たんぱく質をアミノ酸に、脂肪を脂肪酸とグリセリンにかえる働きがある。
そのため、素材の持つ旨みを引き出してくれ、安いお肉もワンランク上の味わいに仕上げてくれる。
「作る人の料理の腕はそのままでも、味が2段階アップする」という塩糀を、参加者全員で作りました。
糀・塩・水を手で混ぜ合わせるのですが、ポイントはなんといっても「おいしくなーれ」と糀に声をかけることだとか。
手の奥にある作り手の気持ちが糀に伝わるからだそうです。
食べる人を思って作られたものを食べると「なぜだか幸せ」と感じるもの、というお話に多くの参加者がうなずいていました。
丁寧に混ぜ合わせ、すり合わせることで手の温度が伝わり、糀が温まって発酵しやすくなり、うまみ・甘みが増すことも理由だそうです。

エプロン、三角巾を身に付けて作業開始!

始めは座っていた参加者ですが…

気持ちが入るにつれ、立ち上がっての作業になりました。
塩糀
自分で作った出来たてをなめた時は「こんなに塩辛くて大丈夫?」と話していた参加者も、浅利氏持参の発酵した塩糀をなめると「うまみがあって塩辛さが丸くなっている」と味の変化に驚いていました。
だし糀
佐伯の郷土料理「ごまだし」は、醤油・酒・味噌・ごまに白身魚をすりこんで作り、うどんのだしなどに使われるが、「魚臭くて嫌い」という声をヒントに魚を糀に替えて作ったのが「だし糀」。ほうれん草と和えると手軽においしい胡麻和えになります。
甘酒のミックスジュース
果物と一緒にミキサーにかけたものを試飲。甘酒のイメージを一新する爽やかな飲み物でした。

初めての甘酒ミックスジュースに「おいしい!」の声
【材料】
*糀:塩=3:1
*ひたひたになる程度の水。乾燥糀の場合は3日目位まで水分量に気をつける。
【手順】
① 糀をもみほぐす
② 塩を加え、握ると少し固まるようになるまで、よく混ぜ合わせる。
③ 水を入れ、両手ですり合わせるようにしながら糀、塩、水をなじませる。
④ 1日1回混ぜながら1週間~10日程度常温で置き、できあがったら冷蔵庫で保存する。
【使い方】
野菜を漬けたらおいしい浅漬けに。肉・魚の下味に使えば柔らかく、中までほどよい塩味に。
「使い方の黄金律=素材の10%量の塩糀」
【材料】
*米糀 500g
*もち米 4合
【手順】
① もち米を洗って5合の水で炊飯する。
② 炊けたもち米をかき混ぜ、もみほぐしておいた米糀を加えて60℃まで冷ます。
③ 炊飯器に戻して保温スイッチを入れ、布巾をかけ蓋を開けたまま10時間置く。50~60℃を保つのがポイント。冷凍保存できる。
【使い方】
飲むときは2倍に薄めて。砂糖代わりに料理にも使える。ピザ生地に使うともっちりする。

おみやげに、自分で作った塩糀と、
糀屋本店の歴史や、塩糀の作り方、使い方のレシピなどが書かれたパンフをいただきました。
大分県佐伯市船頭町14-29
℡ 0972-22-0761