2017年6月 漬物専門店 華尚
2017/07/03
北九州の小倉で創業41年を越えて給食弁当業を営む海老善屋。
地元の素材を使いたいと、地産地消での弁当作りにこだわっています。
中でも手作りの漬物は評判が良く、購入したいとの問い合わせが相次ぎ、お客様方の熱い要望に応え、平成16年にお漬物専門店 華尚が誕生しました。
華尚を代表する「合馬筍柚子味噌漬」を始めとした商品は、地域の食材の生産者の方々と連携し、国内産の安心で美味しいお漬物が提供できるようにと、真心を込めて作っています。
今回のわいわい塾では、所長の内村様、商品企画部長の寺本様に、お漬物への想いなどを熱く語っていただきました。
華尚の想い
日本の豊かな食文化の一つである漬物。
伝統を継承しつつ、ぬか床を現代風にアレンジを加えながら、若い世代にも食べやすいようにチャレンジを続けています。
また、生産者の買い支えができればとの思いから、市場に出回らない、しかし味や品質に問題のない野菜も使用し、地産地消に取り組んでいます。
新開発 「オリーブ果実のぬか床」
今展開しているのが、オリーブの油を搾った後の実と葉をぬか床に入れて、栄養価値や風味を増加させる「オリーブ果実のぬか床」です。
香川県三豊産オリーブの実を60%、残り40%がぬかという配合で、通常のぬか床よりもにおいが少なく、塩も4分の1と減塩です。
オリーブが加わることで、ポリフェノールやビタミンE、オレイン酸などぬか床の栄養素が増しています。
参加者の皆さんが手にしているのは、漬け始めて2か月ほど経ったぬか床です。
これくらいがちょうど食べごろだそうです。商品化した「オリーブ果実のぬか床」は、この状態で出荷するので、手間をかけずに、すぐぬか漬けを楽しむことができます。
試食してみました
試食は、ぬか漬けにしたキュウリ・パプリカ・ズッキーニ・セロリ・みょうが・こんにゃく。
それから、ぬか漬け野菜をさいの目切りにし、オリーブオイルと塩・こしょうで味付けしたコブサラダです。
(コブサラダ/米国 ボブ・コブ氏考案のサラダ)
コブサラダはパンに挟んでいただきました。
パンは米ぬかを10%配合したもので、クルミとチーズ味の2種類。しっとり・もっちりの味わいです。
パンそのものも美味しいのですが、ぬか漬け野菜を挟むと、さらに美味しさ倍増です。
和食のイメージがあるぬか漬けですが、洋風のお料理にも手軽にアレンジでき、簡単に栄養も摂れますね。
参加の皆さんも、「美味しい」「こんな食べ方もあるのね」「こんにゃくのぬか漬けはめずらしい」「おかずとして出せる」と感心しきり。あっという間の完食でした。
オリーブ果実のぬか床の保存
保存容器:木の樽がおすすめですが、プラスチック製のタッパーやホーローの容器で代用できます。
保管場所:冷蔵庫で保存して下さい。
管理方法:2日に1回、軽く混ぜます。1年中、季節を問いません。
*混ぜすぎると美味しくなくなるので注意が必要です。
注意点 :空気に触れさせない
*乳酸菌は酸素を嫌う嫌気性菌です。空気に触れると繁殖しにくくなります。
ラップでぬか床の表面を覆ったり、蓋をして保管しましょう。
【旅行などで、長期不在の場合】
冷凍して保存ができます。ぬか床の表面に薄く塩を塗り、空気に触れないよう表面をラップで密着します。
解凍する時は、冷蔵庫でゆっくりと解凍してください。水分が出てきたら、キッチンペーパーで取り、1日くらい寝かせ、2日目くらいから青菜を漬け始めるとよいでしょう。
【ぬか床の状態がいつもと違います】 こんな時は?
ぬか床の表面に黄色や青色のカビが生えてきた
5、6日放っておくとカビが生えてきます。カビを含めて表面の2㎝くらいを捨て、残りを混ぜ込んでください。
ぬか床の表面が白くなりました
産膜酵母菌(さんまくこうぼきん/シンナーのようなにおい)です。捨てずに混ぜ込んで大丈夫です。
ぬか床の底のにおいが違う
酪酸菌(らくさんきん)です。容器の下から上へ、均等に軽く混ぜてください。
オリーブのお茶
ぬか漬けの他にも、オリーブのお茶を試飲しました。これはオリーブの葉を乾燥・粉砕したものです。癖もなく、緑茶に親しんでいる私たちの口にも合います。
オリーブの葉には、実よりポリフェノールが多く含まれているそうです。
今後の展開
九州産を中心に国内産の食材を使った商品の開発・販売を進めている華尚。
無農薬の九州産オリーブの栽培を成功させようと奮闘され、糸島や佐賀の吉野ケ里での栽培計画があるそうです。試食の時間には、現在開発中のオリーブ酢も試飲させていただきました。
今後も安心して、美味しく、しかも健康に更によい事を目指して、常に食材開発や商品開発にも力を入れています。
参加者との質疑応答
「オリーブ果実ぬか床」で漬けられる食材は何ですか?
ぬか床に漬ける食材は、野菜だけではありません。ゆで卵、パパイヤ(青く熟れていないもの)、アボカド(皮を剥いて)、モッツァレラチーズ(ペーパーに包んで)など、いろいろな食材でぬか漬けを楽しめます。ぬか床を水に溶かして茶こしなどで漉し、オリーブの実と葉を取り除けば、ぬか汁ができます。北九州の郷土料理のぬか炊きの他に、味噌汁や鍋物、カレールーやトマトソースにも活用できます。
「オリーブ果実のぬか床」が減ってきたら?
1,2回は、普通の米ぬかを足しても大丈夫です。ぬか床1㎏に対して米ぬか200gくらい。これに塩10gを入れ、フライパンで炒ります。柔らかくなったぬか床に入れ、オリーブオイルを50g~100g足して混ぜます。1日ほど何も漬けずに寝かせます。ただし、オリーブの栄養素が減ってしまうので、数回に1回は「オリーブ果実のぬか床」を足してください。
感想などアンケートの声 (一部)
- 素材のオリーブにこだわっていらっしゃるのが、ものすごく伝わりました。
- ぬかにオリーブ果実を混ぜるというユニークな発想は素晴らしいと思います。健康志向で塩分控えめの方には最適だと思います。
- オリーブの栄養価が高いこと、また、オリーブのお茶にも栄養があることがよくわかりました。
- 地産地消と今まで廃棄していたものをコラボする、やわらか頭の企業姿勢が素晴らしいと思います。
- オリーブ酢に感心しました。発売が楽しみです。
- 今までのぬか漬けよりあっさりしていて、サラダとして食べるといいと思います。イタリアン料理にも良さそうですね。
- ぬか床に名前を付けるというのは、楽しみながら継続できそうです。
- 扱い方が簡単そうなので、実際にぬか床を作ってみたいです。