わいわい塾

開催レポート

2017年10月 パナソニックエイジフリー株式会社

2017/10/31

今月のわいわい塾は、IRORI倶楽部イベント「エンジョイライフ ココロもカラダも豊かにする5日間」に参加しました。

開催されたセミナーの一つ「最後まで一人で暮らせる住まいづくり」(パナソニックエイジフリーショップ福岡中央店長 吉開さん)をご報告します。

*IRORI倶楽部とは…オトナ世代によるパナソニック リビング ショウルーム 福岡の魅力発掘応援隊です。

 

 

我が家が危険な場所になっている

寝たきりになる大きなきっかけが転倒だと言われています。

転んで骨折し、入院している間に体力が衰えて、寝たきりになるケースが多いのです。

治って退院しても前のようには動けず、生活の質が変わってしまうことも。

しかも、転んだ場所の約半数が、住み慣れた我が家の中であったという調査があります。

愛する我が家が一番危険な場所である、という状況は是非変えましょう。

 

 

 

 

5年後、10年後の自分を想像してみる

高齢になるにつれて体は変化していきます。

立ち座り、段差が苦手になり、今まで届いていたところに手が届かなくなります。

 

玄関: あがりかまちの段差がきつく思えてきます。

 

階段: 三半規管が衰えるとバランスをとるのが難しくなり、片足立ちになった瞬間グラッとします。

 

トイレ: 夜中に行くことも増え、利用する機会が多くなります。あわてて行った時など、わずかな高さの敷居でつまづきます。

 

風呂:

  • 床が濡れていると滑りやすくなります。リンスを使うとなおさらです。蛇口など出っ張った部分が多いので、転んだ時にはどこで体を打つかわからない怖さがあります。
  • 入浴する際に浴槽をまたぐのがきつくなります。また浴槽のフチに手をかけていて滑り、お湯の中に落ちて溺れるケースもあります。浴槽の向こう側を掃除しようとして、フチにかけた手が滑って転倒することもあるようです。
  • 洗い場がある程度広くないと、介助を受けるようになった時に入浴が難しくなります。

 

 

 

苦手になっていく動作を助けるリフォーム

リフォームといっても、家の中を全て変える必要はありません。

苦手になっていく動作を補うことを考えましょう。

また、時間の経過によって必要なものも変化していきます。

建築の知識に加えて、年齢による衰えに応じた福祉・疾病に応じた福祉について、どのような支えが必要か、どのようなやり方や用具があるかといった知識を持つ専門家や専門業者をぜひ活用してください。

 

 

ずっと我が家で笑顔で暮らすために

リビングに行っていったん腰を下ろすと、一人では立ち上がれず手伝いが必要になる、そこで人に面倒をかけるのが嫌だからと、自分の部屋やベッドにこもってしまうケースが少なくないそうです。

自分や家族が最後まで、我が家の好きな場所で気兼ねなく過ごせるリフォームを、専門家と一緒に考えていきましょう。

 

床 :

布団から起き上がるのが難しくなって、ベッドへ変える場合、床材も畳からフローリングにすることがあります。その際に、予めアンモニア臭対策のある床材、車いす対応の床材を選んでおくと、将来、ベッドわきにポータブルトイレを置くようになった時に後始末がラクですし、車いすのタイヤによる傷みや音が軽減されます。

 

風呂 :

家での入浴が難しくなると、デイサービスでお風呂に入れてもらうようになります。でも入浴の目的は、身体を清潔にすることだけではなく、心身のリラックスでもあるはず。デイサービスの入浴では十分には満たされないのではないでしょうか。家でも入浴できるようにリフォームする際は、洗い場を広くとって介助者が入れるようにすること、必要な場所に手すりを設置すること、滑りにくい床材を選ぶことが大切です。

 

 

参加者との質疑応答

ドアはどのあたりが危険なのですか?

ドアを手前に引く際に事故が多いようです。高齢になると、後ろに下がるという動作が苦手にな
り、ドアを引くときに半歩後ろに下がっただけでバランスをくずしてしまいます。しりもちを
つき、痛いと思ったら圧迫骨折をしていた、というケースをよく聞くので、引き戸へのリフォ
ームをおすすめしています

引き戸へ変えたいと思って相談をしたが、無理と言われてしまいました

建築家は建築には詳しいですが、福祉の知識が乏しい人が少なくありません。福祉の視点から、
どんなリフォームの仕方があるか、どんな用具があるか知っている専門業者に相談されていた
ら対応できたかもしれません。

風呂の洗い場を広くした方がよいのはわかりますが、規格の決まっているユニットバスを使っ
てリフォームをする時に、ちょっと広くしてとか、ここにも手すりをつけて欲しいなど、後か
ら頼むことはできるのですか?

後から洗い場を広くすることは出来ないので、予め広めのユニットバスを選んでください。手す
りについては、後からつけ足すことができます。但しユニットバスの壁は薄くて、特殊なねじ
を使ったユニットバス専用の手すりになるので、初めからついていた手すりと揃えられないこ
とはご了承ください。

トイレのサイズや高さも規格があって変更できないのですか?先日、トイレをリフォームして、
スペースが広くなったのは良かったが、新しいトイレの座面が以前より低くなり、立ったり座
ったりが辛くなって困っています。

知識のある業者に相談してもらっていたら高さも調節できたはずです。高齢になると足の筋肉が
落ち、立ち座りが大変になります。腰を下ろすときに、足が体を支えきれなくてドスンと座っ
てしまいケガをした、というのもよく聞くケースです。座面の高さ1~2センチで使い勝手が
だいぶ違うので、ぜひ相談してください。

家族がコタツから立ち上がる時に苦労しています。コタツの天板に手をついて腰をあげた後、
バランスをくずしてしまうようです。

立ち上がる時につかまるのに便利な道具があります。介護保険を使って月150円程度のレンタ
ル料で済みます。1年後には必要な道具が変わっているかもしれないので、買い取りはおすす
めしません。

家のリフォーム、とは、きれいにするもの、新しい便利さを取り入れるもの、楽しいものと考
えていました。それだけではだめなんですね。

5年後、10年後に、自分や家族が今と同じ動作ができるかを想像してみてください。未来の自
分と我が家の現状とのギャップを埋めるという視点がリフォームには大切です。そうすることで、我が家がずっと笑顔で過ごせるいっそう大切な居場所になっていくと考えています。

企業情報

パナソニックエイジフリー株式会社

H P:https://panasonic.co.jp/es/pesaf/

パナソニックエイジフリーショップ福岡中央
  住所  : 福岡市博多区諸岡2丁目6-26
  TEL  : 092-589-3711
  営業時間: 8:45~17:45
  定休日 : 日曜、祝日、夏季・冬季休暇(不定期)