わいわい塾

開催レポート

2014年2月 小倉クリエーション 縞縞

2014/02/20

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今回のテーマは、“蘇った伝統の布 新しい時代の「小倉織」として誕生した「縞縞SHIMA-SHIMA」”
有限会社小倉クリエーションの代表取締役社長の渡部英子さんにお越しいただき、小倉織の歴史から復活、そして今、進化し続ける「縞縞」ブランドについて、たっぷり語っていただきました。

 

小倉織の歴史

「なぞ」が多い?小倉織

江戸時代に豊前小倉藩で作られた「小倉織」。小倉城の焼け落ちなどがあり、資料がほとんど残っていませんが、その歴史は、徳川美術館等から伺い知ることができます。
徳川家康が鷹狩りの時に、小倉織の羽織として着用していたと伝えられており、遺品もいい状態で保存されています。

 

江戸時代に広まった武士の袴「小倉袴」

小倉織は、木綿の布織物です。
当時、国内で綿の産地があまりない中、豊前では藩士の婦女子たちが綿を栽培し紡ぎ、織にして、徳川家へ献上していました。経糸が多く、丈夫でなめらかな質感が特長のため、着物ではなく、袴として広がっていったと言われています。
江戸時代以降、いろいろなところで綿織物は作られるようになりましたが、他のものよりも強く、志士たちがどんなことをしても耐えうるほどのものだったことから、幕末には「小倉袴」という名前がつくほど、袴の主流となりました。

 

明治時代は、男子学生服の生地として全国に

明治時代から西洋文化がどんどん入り、洋服の着用が増えてくると、男子の学生服として、「霜降り」と呼ばれる生地を製造しました。小倉織の特長を生かし、白と黒の綿糸をよりあわせて杢糸を作り、高密度で織ったこの生地は、時代にマッチして評判を呼び、すごい勢いで全国に普及していきました。

 

小倉織はなぜ途絶えた?

全国に広がった小倉織は、やがて技術がとび地し、備中小倉、土佐小倉など各地で製造されていきました。
その後、戦時下の物資不足などもあり、小倉以外で作られた粗悪品が出回り、小倉織の評価が下がっていきました。さらに化学繊維の登場なども加わり、小倉織は守られることなく途絶えてしまいました。

小倉織復活

染織家 築城則子氏が偶然出会った小さな端布

小倉出身の築城則子氏が染織の道に進み、勉強している時に、偶然骨董屋さんで出会った小さな端布。それが小倉織だったのです。布に見せられた築城氏は、「小倉織がゼロになるのはもったいない」と、復元への一歩を踏み出しました。

 

小倉織の特長 ~縞柄は必然~

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小倉織は通常の織物の2~3倍の経糸が密に入っているため、緯糸が見えず、たて縞になります。

細い経糸を多用することで、丈夫でなめらかな質感の生地ができ、高密度のため、撥水感があり、少量の水分であれば、生地の表面ではじきます。

 

縞縞ブランドスタート

途絶えた伝統を復活させる難しさ

福岡の伝統的な織物「博多織」は、職人、組合、行政なども一体になって伝統を守り続けてきたうらやましい歴史をお持ちです。
小倉織は復活しましたが、残念ながら一度途絶えてしまったことで、経済産業大臣指定の伝統的工芸品として認定を受けられません。
また、たった数十年なくなっただけで、人の記憶から消え、全く知られなくなります。一旦なくなってしまうと、本当にさびしいことになるということを、身を持って実感しました。

 

伝統は進化する

築城氏が小倉織を伝統工芸作品として発表し、次第にその世界では知られるようになりました。その時に私どもが考えたのは、小倉織を、伝統工芸として、職人数名が伝承するだけでいいのかどうかということです。もともと小倉織は日常愛用されていたもの。それならば、これからの時代にあった、求めやすく、広く愛される品を作りたいと考えました。
shimashimagara.jpg「伝統は進化していく」
そんな気持ちで築城氏をテキスタイルデザイナーに迎え、これまでの小倉織の特長がより際立つ、メリハリの利いた細いグラデーションの立体的な縞を表現しようと、6年前に機械織りの小倉織「縞縞」ブランドをスタートさせました。

伝統工芸の世界にいる築城氏が、汎用品の製造に加わることに賛否両論がありましたが、手の仕事だからできること、機械織りだからできることがあり、それぞれの強みを活かし、生きている間に、小倉織の進化形を見たいという想いで、築城氏も私も、いい関係性を持って取り組んでいます。

 

瞬く間に数々のデザイン賞を受賞

furoshiki.jpg2007年に福岡産業デザイン賞大賞を受賞。それがきっかけで、経済産業省後援の生活関連産業ブランド育成事業「sozo_comm」海外出品商品に選ばれ、フランクフルト、パリでの世界見本市に出店することができました。
2010年には縞縞風呂敷がグッドデザイン賞を受賞。
これらのおかげで、海外の生地のプロや日本のトップクラスのバイヤーに目をとめてもらうことができ、様々な店舗等との取引ができるようになりました。

 

 

風呂敷から始まった商品群

風呂敷

風呂敷は、もともとお風呂の敷物+衣類を入れて包むものとして使われていたと言われています。
しなやかでありながら、強度があり立体感あふれる、たて縞が特徴の「縞縞」風呂敷で、モノを包んだり、バッグにしたり、腰に巻いたり、クロスにしたりと、いろいろな使い方をしていただきたいと思って作りました。

tutumikata2.JPG風呂敷を使ったワークショップでは、ワインボトルを使って、包み方を習いました。
参加者のみなさんは、「張りがあるので、しっかり包める」「風呂敷ごとプレゼントしたい」「あげるんじゃなくて、ほしい!」などなど、楽しみながらチャレンジしていました。

 

 

 

エプロン

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ふろしきに紐をつけて、ワンショルダーのエプロンを作りました。
体に巻くことで力が分散され肩も凝りにくいため、らくちんです。参加者からは、「このまま天神を歩いてもいいくらいおしゃれ」という声も飛び出しました。

 

 

 

 

エコバッグ

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風呂敷を海外でも広めようと思いましたが、海外では布を結ぶ習慣がなく、風呂敷を包むことがなかなか難しかったので、エコバッグを作りました。
持ち手が両端にあり、口が広いのでモノが入れやすく、無造作に入れてもコロンとしたかわいい形になります。

 

 

 

 

縞縞は「人気のある柄ほど廃盤にする」

スタート時は10種類だった柄が、今では60以上になりました。通常、人気商品は定番になることが多いと思いますが、「縞縞」は、常に新しく、斬新なイメージを持っていただけるよう、人気のある柄はなくなる傾向にあります。

 

広がる縞縞のアイテム

cushon.JPG機械織りを取り入れることによって、広幅の生地ができ、商品アイテムはカーテン、クッション、ホテルのベッドリネン類など、様々な分野で注目していただいています。

 

 

 

 

 

他とのコラボレーション

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多彩で立体的な縞模様の縞縞と、上質な肌触りで使い心地のよい今治タオル。この2つの共通点は、糸を先に染めて模様を出す「先染め」です。
コラボして出来上がった商品で人気があるのが、「ハーフタオルハンカチ」です。通常のタオルハンカチは、ポケットがパンパンになるという声から、二つ折りでポケットに入れてもかさばらないハーフサイズのものを作りました。
今年は、海外の会社等と洋服や帽子など、ファッション系のコラボを発表する予定です。お楽しみに。

最後に

現在、日本の魅力を発信しようと、国をあげて「クールジャパン」が推進されています。
福岡県には、博多織、久留米絣、そして小倉織があります。福岡県の織物が一体になって、日本文化のよさを発信していきたいと思っています。

質問コーナー

縞縞の素材や織のこだわりは?

縞縞に使用している綿は、強度があり、肌触りのよいアメリカのスーピマ綿です。また、染料は、幾度も試作を積み重ねて、限りなく草木染めの色合いに近づけた化学染料を使い、安全性など厳しい管理のもと、一定の色に染めあげていきます。
織は、通常の織り方よりも数段手間がかかり、高い技術が必要ですので、縞縞の基準をクリアできる工場でのみ織られています。

縞縞の布はお洗濯ができますか?

縦は若干縮みますが、問題のない程度ですので、安心して洗っていただけます。繰り返しお洗濯をしても、風合いや張り感はほぼ残り続けます。

風呂敷を使ったいろいろな包み方を知りたい。

今回ご紹介した瓶の他、HPに、箱やターバン、巻きスカートなど様々な包み方・巻き方を紹介しています。ぜひご覧いただき、お試しください。
http://shimashima.shop-pro.jp/?mode=f1

感想など、アンケートの声

  • 縞縞のことが良くわかりました。現代の生活に合うものを目指しているとのこと、海外でも人気が出ている所以ですね。縞縞は、ときどきプレゼントとして使わせていただいています。自分自身も数点使用しています。好きな縞柄を見ると、気分がよくなります。
  • 見本で見たエプロンがモダンでした。瓶を包むのには、最高におしゃれです。風呂敷からいろいろな形へ変化して便利ですね。紹介されたタオル(ハーフ)は便利。特に男性に喜ばれると思います。
     
  • 伝統工芸とは進化するものという言葉は、印象的だった。私ははじめて小倉織を知ったので、いわゆる「小倉織」というものについて、袴の写真でも見せていただいたら、もっとわかりやすかったなと思った。伝統工芸品は、本来生活の中で使用していくものだと思っているので、こういうふうに、生活の中で使えるものを作っていく。それも現代の柄にあったものを織って作っていくのはとてもいいと思った。
  • 一度すたれた小倉織が、染織家の築城則子さんのおかげでまた復活して、新しい商品に生まれ変わったとのお話に感動しました。素敵な布・柄、大好きです。
  • 学生服に使われていた霜降りの小倉織を見てみたい。しましまばかり見ていると、目がチカチカした。一つ一つのしま模様の色はステキです。手触りもいいですね。風呂敷やエコバッグを使用してみたい。
  • 縞をいかしているという点がすごく好きです。小倉織をもっともっと宣伝しましょう。
    以前風呂敷をいただいたんですが、すごく素敵だったので、テーブルクロスとして使っています。
  • 色彩のセンスのよさで、まだまだいろいろな作品ができると思う。強度があるので、私自身はソファーとか椅子に張りたいと思う程です。全部魅力がある縞ばかりです。バッグインバッグのような小物で、みなさんがよさをわかってくれたらと思います。
  • 明治の小説に登場する小倉の袴の小倉織がどんなものか知りたかったので、面白く聞きました。上質な木綿とは思えないほどの織物で、小倉育ちの私としてはうれしかったです。エコバッグ、少し高価ですが使ってみたいです。
  • 初めて小倉織に出会いました。ご苦労に頭が下がります。これから気にかけます。
  • 伝統的な小倉織を復活させようと思ったお気持ちがすばらしいなと思いました。縞模様がどれも色がマッチしていて見ていて楽しくあきませんでした。日本人ならではの「風呂敷」の使い方も、アイデアがおもしろかったです。
  • 小倉織の復活を目指したことは、大変評価できます。風呂敷を基本の形として、バッグ、財布などに商品を発展させてきていることは、立派であると思います。
  • 小倉織を見て、昔を思い出しました。使用していました。家にあると思います。引き出物(プレゼント)によいと思います。
    縞がどれもすてきで、エプロンに使用されていることは知らなかったです。友達にも教えて進めたいと思います。
  • 初めての小倉織、ずっと気になっていたことがわかりました。楽しい。ぜひ、福岡市内に商品を置いてください。
  • 小倉織って名前ははじめて聞いたけれど、実際手にしたら、すてきな縞縞で、織もしっかりしており、使ってみたくなりました。引き出物とかに使って贈ったら喜ばれそうです。
  • このような取り組みをしている方たちがおられることを知りませんでした。生地もしっかりして、色合いもとてもすてきでした。
  • 風呂敷は良い。1枚ぐらいもってみたい。
  • 小倉織を初めて知りました。歴史ある織物だとわかりました。いろいろな柄がある中で、縞柄がこんなに魅力があると見直しました。強くて頑丈そうで、一枚あればいろいろ使えそうなので、近いうちに購入したいです。小倉にはなかなか行けないので、福岡にもショップをお願いします。
  • この布、大好きです。

 

企業情報

■有限会社 小倉クリエーション
福岡県北九州市小倉北区大手町3-1-107
TEL:093-561-0700 FAX:093-561-9119
http://shima-shima.jp/