『ビスネットの昼休みへようこそ♪』第六回 スーパー(第1回)

2021/01/06

 こんにちは。パクチーです。
 今年も、ランチタイムのふとした会話の話題を中心に、生活に密着した気軽なコラムを書いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 さて、年末年始はいかがお過ごしでしたか?今年は例年とは異なり、どこも出かけずに過ごした方も多いでしょう。そんなステイホームをしていた方も、そうでない方もきっと一度は出かけたと思われる場所…「スーパーマーケット」が今回のテーマです。

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 遡ること1か月前のランチタイム。
 建替えを経て、新規オープンしたばかりのスーパーに行ってきた感想をにぎやかに話していました。
 「通路が広くて買い物しやすいよね」
 「品ぞろえもあの広さにしてはいいんじゃない?」
最初のうちはそんなことを話していましたが、次第に話題はスーパーの売り場一般について日ごろから抱いている不満に…(新規オープンしたスーパーについてではありません)

 「スーパーによって卵の置いてある場所がちがう!初めていくスーパーだと絶対に探し回らないといけないーー」
 「自分がいつも行くスーパーは、砂糖がコーヒーシュガーの隣に置いてあるんだけど、砂糖は塩のそばじゃないとダメでしょ~」
 「ヨーグルトは牛乳のそばにあるものじゃないの?離れて置いてある店もあるよね…」

 スーパーの売り場なんてどこも同じように思われるかもしれませんが、さすが、主婦。みなさんそれぞれ一家言あるようです。
 そこでふとした疑問が…スーパーの売り場、商品の並び順には、何かきまりがあるの?


 調べてみたところ、スーパーの売り場について、決められたルールがあるわけではありませんでした。ただ、業界では当然とされている売り場についてのセオリーがあるそうなんです。

 

セオリーその1「人間左回りの法則」


 これは、人間は左回りに移動する方が心地よいと言われていることから、動線を左回りにするというもの。運動場のトラックや野球のベースが反時計周りであるのもすべてこれに則ったもの。
 その理由について「一般的に人間の心臓が左にあるから」「感覚を司る右脳は左側の器官とつながっているから」という説もありますが、買い物に関して言えば、「(多くの人が右利きのため)左回りの方が右手で商品をとりやすい」ということがあるようです。言われてみると確かに、入口から左回りの壁伝いにぐるっと回るように作られているスーパーが多いように思われます。スーパーに限らず、この法則は小売りの世界では広く受け入れられていて、例えばコンビニは左回りの店が多いように思われます。

 

セオリーその2「青果売り場が入口でお出迎え」


 スーパーの売り場は、多くの場合、入り口に青果コーナーがあり、壁に沿うようにして、精肉→鮮魚(肉と魚の順番は逆もあり)→惣菜と続いています。
青果売り場を入口に配置する理由として挙げられるのが次の3つ。
 ① 野菜は購入頻度が高いため(肉料理でも魚料理でも野菜は使う)
 ② 客が買い物をしながら献立を考えられるようにするため(野菜を軸に献立を考えられる)
 ③ 季節感を演出し、購買意欲をかきたてるため
 
 フムフム…。②は今一つ納得できないような気もしますが(だって、献立はメインの肉か魚から決めるものではないですか?)③の理由には納得させられます。肉や魚のようにいつ行っても同じ色合いのものが並んでいるのに比べて、彩り豊かな野菜や果物は目新しいものがありそうな感じがします。買い物気分を高めるために、入口でお出迎えするのはやはり青果がふさわしいということなんでしょう。


 その一方で、肉や魚は厨房から近く、冷蔵管理もしやすい店の奥が望ましいですし、お惣菜は温かい状態で買っていってもらうため最後の方にということのようです。

 そのほかにも、重くて、運ぶのが大変なお米はレジの近くにするなどスーパーならではの工夫があるそうです。

 

 ということを知ったうえで、スーパーを眺めてみると、いつも買い物しているお店がなんだか違って見えてきます。


 例えば、うちの近くの通勤客の多い駅そばのスーパー。二つある入り口のうち、一つの入口はセオリーどおり野菜から始まりますが、駅から近い入口はいきなり、惣菜売り場から始まります。おまけにパンや牛乳といったデイリー品もそろっているため、店内を一周しなくてもそこだけで買い物が済んでしまいます。セオリーは尊重しつつも、買い物に時間をかけたくない通勤客が多い地域特性に合わせてこのような配置にしているということなのでしょう。さすが…。

 そして、私がたまに買い出しに行くディスカウント系のスーパー。
 冷凍食品の品ぞろえが豊富で、しかも安いので、行くときには買いだめしようと意気込んで出かけますが、いま一つ買い物しにくい…。結局あまり買えずに帰ってくることが多いのです。その理由について、冷凍庫の容量を考えて買い控えてると自分では思っていましたが、それだけではないのかもしれないことに気づきました。

 というのがそのスーパーは、入口から壁に沿って、野菜→肉→惣菜→魚→冷凍食品とちょっと変則的な並び。冷凍食品をかごに入れて、すぐレジに行くのならいいのですが、そこから陳列棚を周り、あれこれ見るとなると冷凍食品が解けてしまわないか少し心配になります。そういうわけで一番最後に冷凍食品のコーナーに寄るつもりでいるのですが、店内が広くて最奥の冷食コーナーまで行くのが面倒になってしまい、結局買わずに帰ってしまうことが多いのです。
 店のレイアウトのせいで買い物できなかったんだな…

 

 こう考えてみると、スーパーの売り場も奥が深いものがあります。もう少し、スーパーについて調べてみたいような気になってきました♪

参考:
理大の栞 その20「消費者行動心理」
https://www.ous.ac.jp/kikaku50/bookmark/bm020e.html
スーパーはなぜ「野菜売り場」からスタートするのか
https://news.livedoor.com/article/detail/12612915/