『ビスネットの昼休みへようこそ♪』第九回 炊き込みごはん・混ぜ込みごはん

2021/04/08

こんにちは。パクチーです。
ほぼほぼ社内の昼休みの雑談をネタにしたコラム「ビスネッ
トの昼休みにようこそ♪」
今回は先日、お付き合いのある会社のYさんが新製品を持っ
て事務所に来られたことから始まったお話です。そのお持ちに
なった新製品とは混ぜ込みごはんの素でした…
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この混ぜ込みごはんの素は、ホタテやら、牡蠣やら、大きな
具がごろごろ入っていて、とっても豪華♪立派な一品にもなる
大人向けのご飯の素という感じです。その商品の説明を、背中
越しに聞きながら仕事をしていましたが、どうしてもある言葉
が気になって仕方ありません。
それは、「混ぜ込みごはん」という言葉。初めて聞く言葉で
す。「炊き込みごはん」は知ってるけど、混ぜ込みごはん?意
味はわかるけど、それって「混ぜごはん」じゃないの…?
私の疑問とは無関係に、説明は続きます…。
Yさん「炊き込みご飯は、味がしっかりつかないから、最近
では混ぜ込みの方が人気なんですよ。だから今回の新商品も混
ぜ込みです。」

 

 

その日「混ぜこみごはん」という言葉をうまく消化できず、
もやっとしたままスーパーをうろうろしていたら、なんと大手
食品会社でも混ぜ込みごはんの素を出しているのを発見!ネッ
トで見ると、結構混ぜ込みごはんの素が売られています。ごめ
んなさい。私が無知なだけでした…。

ネットで調べる限り「混ぜごはん」と「混ぜ込みごはん」に
違いはなさそうです。けれど、「混ぜ込みごはん」という言葉は
少数派。例えば、レシピ検索サイト「クックパッド」で「混ぜ
込みごはん」を検索すると出てくるレシピは470件。それに
対して「混ぜごはん」は約13000件がヒット。動画レシピ
サイトも似たようなものなので「混ぜ込みごはん」が新興勢力
であることが伺えます。

 

 

「混ぜ込みごはん」という言葉の使用に地域性が関係するの
か気になり(私は関東地方出身)、昼休みに聞いてみましたがみ
なさんから「使ってない」という答えが返ってきました。
それと合わせてMさんから「『炊き込みごはん』も昔は言わな
かったよねー」という言葉が…。Mさんによると具材の入った
ごはんは「タケノコごはん」「豆ごはん」というような具材名を
つけて呼んでいたので、それらを総称する「炊き込みごはん」
というような呼び方はしなかったとのこと。ふむ、ふむ…
そこで、ふと義母(中国地方在住)が炊き込みごはんのこと
を「味ごはん」と呼んでいたことを思い出し、Mさんに話した
ところ、「味ごはん、言ってた、言ってた!」という、熱い反応
が返ってきました。
炊き込みごはんの名称には地域性があり「炊き込みごはん」
は主に関東地方で使われ、関西地方では「かやくごはん」とい
うのが一般的だそうです。そのほか、「いろごはん(奈良)」「し
ょけめし(山陰)」「じゅーしぃー(沖縄)」など地域によってい
ろいろあります。「味ごはん」も三重県ローカルとネットには出
ていましたが、義母は中国地方だし、Mさんは九州だし、もっ
と広く使われていたのかも…という気がします。根拠はありま
せんが…

 

 

名称の問題はさておき、そもそも「炊き込みごはん」と「混
ぜごはん(混ぜ込みごはん)」の違いは具を混ぜるタイミングに
あります。炊いた白米と別に煮た具材を混ぜるのが「混ぜごは
ん」米と一緒に具材を炊き上げるのが「炊き込みごはん」です。
この炊き込みごはん・混ぜごはん。コロナ禍で消費が増えて
るってご存知ですか?ある調査では、昨年4月のステイホーム
中、同年1月に比べて40%も登場が増えたメニューとして紹
介されていました。主食でもあり、おかずでもあり、家族みん
なで分け合えるというのが受けている理由のようです。

 

 

ただ…意外に作るのが難しいとは思いませんか?
「簡単に作れるようになるとうれしい和食メニューは?」とい
うアンケートで、茶わん蒸しと同点一位の回答が「炊き込みご
はん・混ぜごはん」でした。*毎年、タケノコごはんを作る割に
満足できる味になった試しがない私としては「よかった~。私
だけじゃなかった~」と思える結果です。
炊き込みごはん、混ぜこみごはんの難しさは、具材への味の
染み込み具合とごはんの味とのバランスにあります。具材にそ
れなりの味がついていないと、全体としてぼやっとした味にな
ってしまいがち。炊き込みよりも混ぜ込みの方が人気があると
いうのは、具材にしっかり味がついているところが、濃い味付
け好みの最近の消費者に受けているためだと思われます。それ
に加えて、炊き込みごはんは予約炊飯になじまないため、忙し
い消費者にとって混ぜ込みごはんの方が使いやすいということ
もありそうな気がします。

いろいろ考えると、今回いただいた新商品は時代をうまくと
らえている商品のようで、期待できそう♪早速、味見させてい
ただきます。

*㈱リンクアンドコミュニケーション
コロナ流行下での『食事の変化』を分析した第三弾調査を公開しました
https://www.linkncom.co.jp/news/press/310/

*マルハニチロ㈱「和食・日本食に関する調査」

https://www.maruha-nichiro.co.jp/corporate/news_center/research/pdf/20150603_washoku_nihon_ryouri_cyousa.pd