『ビスネットの昼休みへようこそ♪』第11回 お弁当

2021/06/04

こんにちは。パクチーです。
 仕事中の憩いの時間といえば、やはりランチの時間ではない
でしょうか。最近は、在宅勤務が増えて、みんなが揃ってラン
チをとる機会も減っていますが、今回はオフィスのランチ事情
をちょっとご紹介したいと思います…
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ある日の昼休み。昼食を食べ終えたKさんが「今日もおいし
かったー」としみじみと独り言を言っています。料理上手の
Kさんは、毎日手作り弁当持参。お肉や野菜がごはんの上に
のっかっているおいしそうなお弁当です。それにしても、自
分で作ったお弁当を食べて、毎日こんな感想が言えるんだか
ら、全くうらやましい…。


 Kさんは毎日ですが、週の半分ぐらいは手作り弁当を持って
くる人もいるので(私もそのひとり)、オフィス全体でみると手
作り弁当持参派が半分強という感じ。残りのメンバーは、配達
のお弁当やコンビニなどのテイクアウトで調達したものを食べ
ています。(こっちもおいしそう♪)

 

 

こんなランチ事情を知り合いに話すと、外食する人がほとん
どいないことを意外に思われることがあります。というの
は、事務所の周囲には、外食できる店がたくさんあるから。
けれど、働く人のランチ事情に関する各種調査によると、ラ
ンチを外食ですます人の割合はそれほど多くはないのです。
地域性によって違いもありますが、手作り弁当派とコンビニ
や弁当店のテイクアウト派が不動のツートップで、外食はそ
の次です。女性は特に手作り弁当派が多いので、手作り弁当
が過半を占めるビスネットのランチも典型的な日本のオフィ
ス風景といえるのかもしれません。

さて、この手作り弁当については、最近更に増殖中。理由
は、やはり新型コロナ。外食先での感染拡大を心配して弁当
に切り替える方もいますが、それ以外にもクラスター発生を
懸念して、時間差で昼休みをとる会社が増えたこともその理
由になっているようです。確かに、一人飯なら、外に食べに
行かずに、家にあるものをなんとなく持ってくるだけでいい
ような気がしますよね。

 


 

ただ、新型コロナには関係なく、それ以前から手作り弁当は
長期にわたって、増加傾向にあるようです。そもそも昔は、
勤め人が弁当を持っていくことを「腰弁当・腰弁」と揶揄し
ていた(下級侍が腰に弁当を下げて出仕した姿が由来)との
ことで、弁当を持っていくことはあまり見栄えのよくないと
いう評価だったようです。それが、戦後専業主婦が増えるな
かで、妻が夫に作る弁当を「愛妻弁当」と呼ぶようになり、
好ましいものと評価されるようになりました。ただ、それで
も男性が弁当を持っていくのは、ちょっとからかいの対象で
あったように思います。(私が働き始めた90年代には、弁当
を食べている若い男性は例外なく「愛妻弁当なの?いいねえ
~」なんて言われていました)
ちなみに、今では「愛妻弁当」から「愛情弁当」に言葉もチ
ェンジ。確かにその方が、作り手が誰かも関係ないし、親が
子どものために作る弁当も含めることができるのでいいかも
しれません。

 

 

 そんな手作り弁当が、流行ともいえる状況になったのは、
2000年代に入ってから。今では食育の一環として多くの学校で
取り入れられている「弁当の日」が始まったのが2001年。
2007年には、現在まで続くANA機内誌の人気コーナー「弁当
の時間」の連載が始まりました。そして、2009年には手作り弁
当を持ってくる男性を表す「弁当男子」という言葉が生まれて
います。

このころ、手作り弁当持参派が急に増えたことを感じさせる
調査*1があります。2008年に行われた調査では、「昼食の
取り方で最近増えたもの」として3割を超す人が「家から持
参する弁当」をあげています。(逆に4割の人が最近減ったも
のとして「外食」をあげている)そして、弁当を持参してい
る人の3割が、過去1年以内に始めたと答えています。
また、ネット記事の見出し「今やサラリーマンの必須アイテ
ム?弁当箱や箸の売れ行き好調」*2「若手に急増、『弁当男
子』 がモテる⁉」*3からも、特に男性の間で手作り弁当派が
増えたことが伺えます。

 

 

2008年ごろといえば、景気後退に加えて、原油価格や穀
物・大豆価格の急騰による食品の値上げで、節約志向が強ま
っていた時期です。また、食品の安全や健康志向の高まりと
いった面からも、手作りが見直されたという指摘もありま
す。そういう状況を背景にして、性別に関係なく手作り弁当
派が増えていったのかもしれません。

それから、10年以上がたち、ランチバッグを持って通勤し
ている人を見かけるのは当たり前になりました。ランチの風
景なんて、あまり変わらないと思っていましたが、やはり変
わっていくんですね。そういえば、勤めだしたころにはよく
とっていた出前(懐かしい!)も、今はみんなデリバリーに
なって、見かけなくなったし…

けれど、時代は変わってもランチが働く人にとって憩いの時
間であることには変わりません。早く、どこのオフィスでも
みんなでワイワイガヤガヤおしゃべりできるランチタイムの光景が戻るといいな…と思う今日この頃です。

 

*1株式会社インテージ
「ビジネスパーソンの外食事情調査~昼食は弁当の持参が増加
~」
https://www.intage.co.jp/library/20081030/
*2「今やサラリーマンの必須アイテム?弁当箱や箸の売れ行
き好調」マイナビニュース(2008.8.1)
https://news.mynavi.jp/article/20080801-a026/
*3「若手に急増、『弁当男子』がモテる⁉」
 PRESIDENT Online(2009年3月30日号)
 https://president.jp/articles/-/3011?page=1