「ビスネットの昼休みへようこそ♪」第20回 米菓

2022/03/08

こんにちは。パクチーです。
ある日の昼下がり、我が社のお菓子番のKさんが、ガサゴソ
お菓子置き場をチェック中。
さて、今日のおやつはなにかな?


**************************
 

そういえば、この前、OGのRさんからいただいたお土産が
あったような…。

Kさん「『おかき』食べるひとー?」「はーい♪」こういうと
きはみんな元気に手をあげます。
ただ、私は手をあげながら、ちょっと新鮮な気持ちでその言
葉を聞いていました。
その原因は「おかき」という言葉。関東出身の私にとって、K
さんが手にしている5×3センチほどの醤油がけの米菓は「お
せんべい」の一種ですが、京都出身のKさんにとっては「お
かき」なんですねえ。ふむふむ…。そこで、Kさんに聞いてみ
ました。

 

「そういうの「おせんべい」って言わないの?」
「言わない。これは『おかき』でしょ」
「『おせんべい』って言うものはないの?」
「草加せんべいはちゃんと『草加せんべい』っていうけどね…」
「小麦粉で作った瓦せんべいみたいなのは『せんべい』ってい
うでしょ?」
「うん、確かにね~」

 


Kさんの答えは、私が思っていたとおりの答えでした。それは、
醤油や塩味の焼いた米菓について、関西では「せんべい」と呼
ばずに「おかき」と呼び、関西で「せんべい」という場合には
小麦粉で作った甘いものを指すというもの。

 

そうよねー、せんべいとおかきの違いは、地域による呼び名の
違いよね♪と思っていた私ですが……、つい先日、これが誤っ
ていたことを知りました。がーん。ショック…。

 

 

調べたところ、せんべいとおかきの違いは、原材料の違いだと
いうのです(この場合、小麦粉の「せんべい」は除く)。
「せんべい」がうるち米で作るのに対し、「おかき」はもち米
製。東日本ではうるち米で作った「せんべい」が多いのに対し
て、もち米の生産が多い西日本ではもち米で作った「おかき」
が多いのだといいます。

 

確かに言われてみると、米菓の原材料表示には「うるち米」と
か「もち米」とか書いてありましたね…。
同じような醤油味の米菓でも、堅さだったり、膨らみ加減だっ
たり、腹持ち具合だったりに差があることに常々疑問を感じ
ていましたが、それにはこういう理由があったんですね。
「草加せんべい」みたいに密で堅いのがうるち米、「鬼あられ」
みたいに膨らんでいるわりにずっしりとして腹持ちがいいの
がもち米。(ちなみに『あられ』ももち米製。おかきよりも小
さいものを指すそうです)

 

今まで、なんとなく経験で「これは堅そう」「(胃に)重そう」
と選んでいた私はなんだったんだ…。小さいころから、おせん
べい好きだったにも関わらず、そんなことにも気づかなかっ
たなんて、全く情けない…。トホホ…。

 

 

さて、今回、「おかき」と「おせんべい」の違いを知って思い
出したことがあります。それは、数年前、当時一緒に働いてい
た大阪出身の同僚と交わしたこんな会話。

 

同僚:「あー、ひなあられ食べたーい」
パクチー:「えっー?ひなあられってそんなに『食べたーい♪』
って言いたくなる?大しておいしくないじゃん」
同僚:「おいしいよ。しょっぱい味だけじゃなくて、甘いもの
も入ってて…。あれがいいよね~」
パクチー:「ひなあられがしょっぱい⁈」

 

 

関東地方で育った私が子どもの頃食べていたひなあられは、
米のポン菓子に白、緑、ピンクの砂糖掛けをしたもの。ときど
き豆が入っていたような気がしますが、味は、甘いだけでさし
ておいしいものではありませんでした。
それに対し、彼女が食べていたというのは、塩味やしょうゆ味
の丸いあられで、あまい味のものがたまに入っていたといい
ます。同じ「ひなあられ」であるにもかかわらず、関東と関西
で、ものがあまりにも違うことにお互いに衝撃を受けました。
その後、彼女が帰省土産に買ってきてくれた関西版ひなあら
れを食べましたが、確かに彼女のいうとおり、丸くて、しょっ
ぱくて、おいしかった。(うー、負けた…)

 

今にして思うと、関東と関西のひなあられの違いは、うるち米
ともち米の違いがベースにありそうな気がします。関東のひ
なあられは、米のポン菓子。つまり、うるち米でできたもので
す。それに対して、関西のひなあられはもち米でできた本当の
「あられ」。西日本のもち米文化があるからこそ、あのひなあ
られだったのかもしれません。

 

 

このうるち米ともち米の違いでもう一つ思い出したのが、お
もち。最近の韓国ドラマブームで一般スーパーでもかなり韓
国食材を見かけるようになりましたが、そのなかの一つに韓
国風もち「トック」があります。(ドラマの中で頻繁に登場す
る「トッポッキ」の材料です)
あれも、日本のお餅とは違ってベタベタしないし、軽いし、煮
込んでも溶けないので、不思議に感じていましたが、あれも原
材料がもち米ではなく、うるち米なんですね。お米の種類が違
うとずいぶん変わってくるんですね。

 

 


普段の生活のなかで、もち米を買うことはほとんどないので、
正直言ってお餅を食べるときぐらいしかもち米を意識するこ
とはありませんでした。なので、「米=うるち米=白飯」という
ような意識でいましたが、加工品についてはうるち米だけで
はなく、もち米も食べているということを今回改めて知りま
した。うるち米ともち米の両方があるおかげで、食文化が豊か
になっているんですね。
ということに感謝しながら、今日もおやつに柿の種をいただ
きましょう。ちなみに、柿の種は、うるち米製も、もち米製も
両方ありますよ。

原材料表示をしっかりチェックして、その日の気分で選びま
しょうね♪