なっとく!コラム「ソフトロー」って知っていますか? Green prop

2022/07/15

 

みなさんは、ハードローとソフトローという言葉を聞いたことがありますでしょうか。
ハードローとは、法律や条例などの法的拘束力がある社会的規範のこと、ソフトローとは、モラルや規格・基準などの法的拘束力がない社会的規範のことです。法令違反をしないように運営していくことは当たり前ですが、それに加えて、今はモラルや規格・基準を遵守して運営していくことも社会は求めています。

 

 

 

例えば、平成10年代には、環境マネジメントの国際規格であるISO14001の認証取得が急激に増えており、当社でも平成15年に取得しました。環境影響に配慮した経営は大切だと感じたのはもちろん、その頃に取引先から「取得してほしい」という要請が多くあったことも取り組みの後押しになった一つの要因です。

 

このソフトローが近年威力を増してきています。その理由の1つが、SNSの存在だと考えています。2008年にiPhoneが登場し、急速に普及したスマートフォンは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の拡大に繋がりました。誰でも容易に不特定多数(社会)に向けて自分の考えることを投稿できるようになり、良いことも悪いことも、すぐに拡散します。「バズる」なんて言葉ができたのもSNSが広がったのが背景にあります。

 

この拡散の内容は、特にモラルに関するものが多いのではないでしょうか。企業への指摘の投稿から信頼が低下し、その企業を選ばれなくなる。逆に、企業活動を良く評価する投稿から信頼が生まれ、その企業が選ばれるようになる。このような現象が起きており、特にSNS上での拡散からテレビニュースで取り上げられることも増え、リスクもチャンスも身近に潜んでいるのです。

 

法的拘束力はないけれど、社会の方向性に合致した倫理観を図られるソフトロー。ソフトローに対応していくためには、社会の変化を捉え、自社が社会に与えている影響を考え、適切に行動していくCSR(企業の社会的責任)を推進していくことが重要だと考えています。また、CSRを推進していくことで、SDGsの達成に寄与できる可能性も十二分にあります。
今一度、利害関係者や社会からの声に耳を傾けて、自社のことを見つめ直してみても良いかもしれません。

 

株式会社Green prop
未来デザイン室 丸山 優実