わいわい塾

開催レポート

(株)シロヤパリガン

2007/04/20

28シロヤパリガン1.png

クリーニング業に従事して今年でなんと60年目という川満顧問。「私は技術屋だから話すのは苦手」と謙遜されながらも、クリーニングにかける熱意や探究心あふれるお話は、説得力がありました。

 
 
  

 

店によってどうしてこんなに値段が違うのか

基本は変わらないが、洗い方が店によっていろいろある。ドライクリーニングでは溶剤を使って2度洗うが、液をただ循環させて同じ液で1度しか洗わないところが多い。フィルターでろ過しているだろうが、油脂分は通ってしまう。当社では、1回洗った液を釜で炊いて蒸留する。これで2度目を洗うときれいになる。着心地に気をとめる方からは、「着ると軽い」「手の通しがよい」「さらさらする」と言われる。ランドリークリーニングも2度洗いしてすすぐ。 

 

ポイントは温度をかけること

昔は綿100%のYシャツを80℃で洗っていた。きれいになったし、クレームもなかったが、今主流の混紡は高温では縮むので、50℃で2回洗う。そしてすすぎは3回。50℃で洗ったら、まずは50℃ですすぎ、だんだん温度を下げていく。これは、繊維を温度で開かせ、何千本という繊維の中から汚れを出すため。低い温度ですすぐと汚れをまた抱いてしまう。

 

28シロヤパリガン2.png

こだわりのアイロンがけを披露。Yシャツ袖口の折り目が目立たないところに来るよう、工夫されています。
 
 
 
 
 

消費者へお願いしたいこと

クリーニングに出すのは「汚れるだけ汚れてから」「シーズンが終ってから」というケースが多いが、それでは汚れを100%落とすのは難しい。汚れたらなるべく早くクリーニングに出してほしい。また、Yシャツは5~6回洗うと多少縮むので、よく利用するメーカーの縮み具合を知り、その分大きいサイズのものを買ってほしい。 

 
28シロヤパリガン3.jpg
ドライクリーニングではにおいがとれないため、いい消臭剤を長年探していたそう。においを化学的に変化させるこの消臭剤がお土産でした。
 

 

 

 

参加者と企業の意見交換

クリーニングの上手下手の見分け方は?

洗いの技術はYシャツでわかる。うまくないとだんだん黒ずんでくる。アイロンも、よく見るかけ方では、袖口の折り目が腕の手の甲側にくる。当社では工程は4つ増えるが、きれいに見えるダブルカフス仕上げを行っている。

福岡の消費者が利用するには?

工場は、きれいな水を利用するために熊本にあるが、福岡県内ならどこでも集配に行く。フリーダイヤルで受け付け、集配料は無料。夜間でも、土・日曜でも、電話でのお約束のもと、指定された時間に集配に行く。店舗もあるので利用してほしい。

プライドコースとは?

プロのプライドで、普通の洗いではどうにもならなくなった衣類を、着用可能な状態にする方法を研究してきた。ものによってはそれが可能になった。ウールをざっぷりお湯につけたりと無理なことをするが、始めてから5~6年でトラブルは1、2件だけ。そういう衣類をお持ちならご相談下さい。

感想などアンケートの声 (一部)

  • 袖の仕上げ方には目からウロコが落ちました。洗い方、仕上げとも手をかけるとそれだけの料金になりますね。納得。長い目で見れば、決して高くないと思いました。
  • 職人としてのプライドに好感をもった。「当日仕上げ」をよく利用していたので、少々反省しました。
企業情報

(株)シロヤパリガン
熊本市西区上熊本2丁目6-7