わいわい塾

開催レポート

2016年12月 (有)福岡保険事務センター

2016/12/28

代表の坪口さんが損害保険の代理店という仕事を始めたきっかけは、若い時に自分が起こした自動車事故で保険のお世話になったこと。自動車保険に加入していなかったら、相手方の入院費、休業補償、後遺症などのために、何千万円もの賠償を一人背負うことになったはずで、保険加入の大切さを痛感したそうです。

今では福岡市内に代理店を構えて地域に密着した業務を行っており、また代理店が加入する一般社団法人福岡損害保険代理業協会でも理事として、会員の教育活動などに取り組まれています。

 

 

 

損害保険の加入チャネルによる違い

保険も今は自由化がすすみ、海外の保険会社もたくさん参入して競争が激しくなり、保険代理店だけでなく、ネットや通販で加入できるものも増えてきました。その様子は、洋服を買うときと似ています。

 

量販店に行ったら、デザインもサイズも合うものをたくさんの商品の中から自分で選び出す苦労はありますが、安く買えます。一方、オーダーメードのお店に行けば、少しお金はかかりますが、自分が欲しいものを相談し、希望やサイズがぴったり合うものを作ることができます。

 

保険の場合も、ネットや通販の場合は自分で保険商品を探し、自己責任でパソコンに入力して手続きを進めることになります。一方、専業代理店の場合は、家族構成や財産の状況、ムダな重複や逆に不足がないかなど、専門家が逐一確認をしながら、総合的に見て必要な保険を提案してもらうことができます。

 

 

 

住まいにかける保険

住まいのための保険には、まず火災保険があります。建物構造が鉄骨造りか木造か、どの地域かなどにより保険料は変わります。また、以前は35年間という長期保険もありましたが、環境の変化が激しくなってきたことが考慮され、今では最長10年間のものまでとなっています。

 

続いて地震保険ですが、これは火災保険と一緒に入ることを前提としている商品がほとんどです。そして建物評価額の半額までしか掛けられません。地震保険の目的が、当面の生活を支えることを目的としているためです。それから、これまで被害の評価段階が3つしかなかったために、半損に近い被害があるのに最低ラインの補償しか受けられないケースなどがありましたが、今回2017年1月の改正で、4つの段階で判断がされることになりました。

 

そして意外と大切なのが家財保険です。「大した家財は持っていないから不要」という人が多いのですが、火災や台風などでだめになったタンスに着物が数枚あれば、それだけでもそれなりの被害金額になります。また地震の際にマンションの上層階などは揺れが激しく、建物は大丈夫でも内部がだめになってしまうことがあります。家電や日用品、衣類など、普通の生活用品でも一から買いそろえるとなると結構な出費に。家財保険に加入しておけばこれに備えることができます。

 

 

 

自転車事故と個人賠償責任保険

最近ニュースで耳にするのが自転車と歩行者の事故です。加害者に高額な賠償金負担が生じる事例もあります。このような時に備えることができるのが個人賠償責任保険です。

 

これに加入しておけば、他にも例えば、集合住宅のベランダから誤って物を落として下の車を傷つけた、飼い犬が他人を噛んだ、出かけた先で展示されていた高価なものを壊した、などの場合にも補償を受けられます。

 

この保険は、火災保険や自動車保険の特約としてあまり意識しないまま入っている人が意外といます。複数の車を所有している場合、それぞれの車の保険につけているケースも見受けられます。また、住まいが集合住宅の場合は、管理組合が管理費から保険料を支払って加入している場合もあります。

 

どこかで一つ入っていれば基本的に同居の親族全員に適用されるので、重複していたらもったいないようです。専業の代理店に相談すると、そのあたりも無駄がないよう管理してもらえます。

 

 

 

終活プロジェクト

近頃は顧客も代理店側も高齢化しているために、契約の見直し時に「今まで通りでいいよ」という依頼があっても、状況の変化、認識力の低下などがあり、そのまま進められないことがあります。

 

代理店としては、若い人と組んで引き継ぎを進めたり、丁寧な見直しをしたりしています。また、万一の場合の連絡先も範囲を広げて登録してもらうようにしています。

 

また「終活プロジェクト」と銘打って、エンディングノートの配布や活用も進めています。わいわい塾でも、三井住友海上あいおい生命保険で作成したノートをおみやげにいただきました。

 

このノートには、財産管理をはじめ、プロフィールや思い出の場所、家系図、友人関係、また要介護状態になった時のために病歴や治療への要望、ネット利用時に必要なIDやパスワードなどを書くページも用意されています。興味のあるページから書いてもらうことで、前向きに老後をイメージでき、また万一の時には家族がスムーズに事務処理を進めることができるようになります。

 

 

 

参加者との質疑応答

地震の被害はどのように調査しますか?

損害調査会社が調べるのが原則ですが、被害が大きかった熊本地震では人手が足りず、損保各社がプロジェクトチームを作り、全国から出張して対応しました。東日本大震災の際には、甚大な被害に早く対応するために、国が地域を丸ごと「全損地域」と指定したこともあります。

台風に備えるにはどうしたらよいですか?

普通の火災保険で大丈夫です。以前は20万円以上の損害にならないと支払の対象にならないケースが多かったのですが、最近は自己負担がないような契約も多くなりました。

災害の後、悪質業者が地域をまわることがあると聞きます。

熊本地震の後も、悪質業者が地域を回ったそうです。「お宅の屋根瓦が割れている。後で保険で賄えるから早く修理を」と言って急いで工事をさせるのですが、地震保険に入っていなければ保険金は出ません。まず、ご自分が加入している保険で補償できるのかご確認ください。

代理店にはランクがありますか?

基本的な損保一般試験に合格した「損害保険募集人」は全国に200万人います。銀行や生保、ディーラー、住宅関連企業などに勤務している人がかなりの数、含まれます。ここからステップアップを図りたい人のために「損保大学課程」という制度があります。ここで「専門コース」を修了して深い専門知識を修得した人は「損害保険プランナー」、さらに「コンサルティングコース」を修了して実践的な知識・業務スキルを修得した人は「損害保険トータルプランナー」として認定されます。現在、「損害保険トータルプランナー」は全国に1万人強いらっしゃって、毎年、1,400名ほど増えていっています。

感想などアンケートの声 (一部)

  • 長年同じ自動車保険に加入しており、そろそろ気軽なネット保険に、と考えていたが、“対面”の大切さを教えていただきました。
  • 火災保険と地震保険の仕組みがわかった。家財保険が必要だと感じた。
  • 自分の保険の内容を再確認しようと思いました。
  • 保険はよくわからないまま継続したり、言われるままに入ったりしていることがあります。今日の話をお聞きして、自分でもよく勉強していざという時にスムーズに事が運べるようにしたいと思いました。納得することが大切ですね。
  • 通販で加入するより、顔をみていろいろ相談が出来るようなところで加入したいと思います。
  • 我が家は火災保険、自動車保険とも代理店を通して契約しており、通販の保険との価格の違いに驚いていましたが、今日の説明で少し理解できました。
  • 保険加入の大切さを再確認しました。
企業情報

あいおいニッセイ同和損保代理店
有限会社福岡保険事務センター

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