わいわい塾

開催レポート

(株)吉開のかまぼこ

2007/09/20

 

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 明治38年創業の鮮魚商が始まりという吉開かまぼこさん。昭和45年からは水産練り製品に専念し、防腐剤や化学調味料はもちろん、練り製品にはつきもののリン酸塩、卵白の除去にも成功、安全でおいしい商品作りに邁進している。


 

 

体に優しくておいしいものを作りたい

防腐剤は、入れると品質が落ちるので創業当初から使っていなかったが、化学調味料は使用していた。使うと「頭が良くなる」といわれた時代で、家でも何にでもかけて使っていた。ところが、次第に体がかゆくなってきて、これはおかしい、無添加のものを作りたいと考え始めたちょうどその頃、消費者団体から依頼が来て、月1回の納入から始まった。そのうち、卵アレルギーの人は卵白の入っている練り製品が食べられないのだという話を聞き、卵白も入れないことにした。塩もミネラル豊富な沖縄の自然海水塩を使い、使用量は一般製品の3~5割控えめ。あらゆる方に安心して食べてもらいたいという思いがある。

 

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試食では、エソや鯵など材料による味わいや食感の違いを楽しみました。

 

 

 

 

 

研究と創意工夫でリン酸塩も不使用に

無添加かまぼこが軌道に乗り始めたころ、良質な魚の入手が困難になり、冷凍すりみに切り替えた。ただ、冷凍すり身にはリン酸塩が入れられていた。よそから買った原料にリン酸塩が入っていても表示義務はないが、実際には商品に入っているのに書かないのはおかしいと考え、リン酸塩を入れないすり身を特注するようにした。水揚げされたばかりの新鮮な魚を加工しているので、塩だけでもねばりが出る。後は、長年の経験で得た技術と勘が頼り。データも毎日取っている。それでも、うまく固まらずに廃棄することが今でも年に3回くらいある。伝統的な製法の良いところは残し、研究と創意工夫を重ね、全ての商品を無添加で作っている。

 

 

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こだわりや雑誌等掲載記事をのせた「かわら版」と、手軽な楽しみ方もわかるカタログ。

 

 

 

 

 

 参加者と企業の意見交換

 Q&A

 

Q. かまぼこは、低脂肪、低カロリーなのに、たんぱく質とカルシウムが豊富なので、糖尿病の治療食によいと言われますね。ただし、リン酸塩を取り過ぎないようにと注意されますけど。 

A. 当社はリン酸塩を全く使用していない。またでんぷんなどのつなぎがない分、かまぼこの8割は魚肉。低脂肪、高たんぱく食品として活用してほしい。一般のかまぼこも、ハムやレトルト食品と比べるとリン酸塩は少ない。 

 

Q. 福岡で販売しているところは? 

A.11月2日(金)オープンの「サロン・ド・井筒屋」で5種類を販売することになった。「ぶどう畑」さんでも3種類ほど売っている。他の種類も、「ぶどう畑」さんに注文して頂いたら、搬入のときに一緒に届けるので送料がかからない。瀬高の直売店にも、福岡市内からのお客様が結構いらっしゃる。あとは通信販売。毎年のように雑誌やTVで取り上げていただくおかげで、東京や横浜など、関東地方のお得意様もいる。

 

Q. かまぼこの板を使用しない方が環境によいのでは? 

A.研究中だが難しい。かまぼこの板には、水分を吸収したり放出したりして日持ちを良くする役目がある。外材ではなく、日田杉を一度蒸して使用している。 

 

 

感想 

  • 今まで練り物は添加物の固まりというイメージで避けてきましたが、素材を重視して添加物をはずして作ると、おいしいものが出来るのですね。目からウロコです。
  • 今まで食べてきたかまぼこと全く違った食感でびっくりしました。ふわっとして、ぷりぷり感もあり、美味しかったです。これからも頂きたいですね。 
  
企業情報

<*2021年12月再開しました>

(株)吉開のかまぼこ
福岡県みやま市 瀬高町下庄1857-2(国道209号線沿い)
TEL : 0944-63-8111


HP:https://www.yoshigai.co.jp/