わいわい塾

開催レポート

黒田五十二萬石 如水庵

2007/06/20

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北部九州・山口一円の神社仏閣の御供物屋として歴史を持つ老舗の如水庵。戦後は一般家庭で食べられるお菓子作りに取組み、黒田のお殿様からご紋の使用を直接許されたという最中を始め、数々の銘菓をうみだしている。


 

 

懐かしい祖母の味で日本一を目指した「筑紫もち」

現社長が子どもの頃、泊まりに行くといつも祖母が“きな粉餅”を作ってくれた。それが本当においしかった。あれを作ろうと思い立った時、既に似た類のお菓子はいくつもあったので、同じ作るなら日本一のきな粉餅にしようと、それにふさわしい材料を探し、開発に5年をかけた。

餅は、柔らかくてしかも歯切れが良くなるよう、もち米のブレンドを工夫するなど1000回近く試作をした。きな粉は、わずかな国産物の中でも最高の琵琶湖畔の白大豆を、真空ミキサーで挽くことにした。
そして水、熊本で食べたご飯がとてもおいしかったのに、同じ米を福岡で炊くとおいしくない。水が違うからだと気付き、ご飯でこれほど差が出るのなら、水で何倍にもして使う寒天や小豆、粉が材料のお菓子ではもっと変わるはずと、熊本の湧き水を目標に、おいしい水を作る設備まで工場内に作った。

 

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 こだわりをうかがってから試食をすると、おなじみのお菓子も一層味わい深く感じられます。

 

 

 

お菓子屋として風味にこだわった、乳化剤無添加の「幸の風 ふくおか」

乳化剤が開発されてブッセは簡単に作れるようになったが、食感や風味が良くない。乳化剤無添加で作りたいと挑戦を続け、作業性が悪すぎてメーカーとしてはあり得ない取組みだと周囲から忠告されながらも、8年がかりで作りあげた。

産みたての卵を使い、白身と黄身を分けて泡立て、粉を入れたらミキサーは使わず職人が手作業で混ぜる。微妙な加減でも失敗するので、作業場には緊張感があって大変だが、口どけが良いと好評を頂いている。'06年、'07年とヨーロッパの権威あるiTQi(国際味覚・品質審査会)で優秀味覚賞を受賞することができた。 

 

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 おみやげは、箱入りの「筑紫もち」と 「幸の風 ふくおか」でした。

 

 

 

 

 

参加者と企業の意見交換

 Q&A

Q. 「幸の風 ふくおか」を試食したが、しっとりしていて後味が良い。和菓子のような感じ。 

A. 小麦粉と卵と砂糖だけで作っているから。バターを使っていないので、イメージと違ってカロリーが低い。安心して多くの人に食べていただきたい。砂糖も、それ自体のカロリーは決して高くない。小麦粉1gと砂糖1gは同じ4kcal。糖分は脳の大事な栄養でもある。糖尿病の高齢者に糖分の摂取を制限したら認知症が悪化してしまったが、制限を解除したところ進行が止まったという話も身近に聞く。「大飯喰らい」の脳の為にも、必要な糖分は摂らないといけない。 

 

Q. iTQi(国際味覚品質審査会)と、よく聞くモンドセレクションとの違いは? 

A.モンドセレクションは、元はチョコレート菓子のコンテストだったが、だんだん対象が広がった。「幸の風」はモンドセレクションでも金賞を受賞し、アムステルダムでの表彰式に出席したが、焼酎やタバコまで出品されていて驚いた。お菓子としては、iTQiの方が何倍も価値がある。ヨーロッパではこれを受賞したと言えば「すごい」と言われるが、日本での認知度はまだこれから。

 

感想 

  • 歴史と規模を誇る如水庵さんが、一つひとつの商品を大切に作ることの大変さをつくづく感じました。こんなに心のこもったお菓子を普通に食べられるとは幸せですね。一気にファンになりました。 
  • 贈り物用のお菓子を選ぶのに、相手の体を気遣う思いはありませんでしたが、その考えをひっくり返してくれました。今日のお話を添えて先様へ届けたい。

 

 

企業情報

黒田五十二萬石 如水庵
福岡市博多区博多駅前1-24-10
お客様相談室 フリーダイヤル: 0120-39-0052