2018年1月 (株)ヨコオ
2018/02/01
今回のわいわい塾は(株)ヨコオです。米穀商として創業し、飼料販売、鶏肉加工の生産・販売を経て、現在では赤鶏にこだわり、一貫生産でブランド鶏の「みつせ鶏」「ふもと赤鶏」を展開しています。
赤鶏の特徴や肉の部位別に適したカット方法や調理法など、料理に役立つ情報も交えながらお話をしていただきました。
★鶏の種類について
【若鶏(ブロイラー)】
現在、国内出荷羽数の約54%を占めています。早く出荷できるように品種改良が重ねられた鶏です。短期間で成長し、通常40~50日間で出荷されます。羽根が白いのは、残毛が目立たず処理をしやすくするためです。
【地鶏】
在来種由来の血統が50%以上あり、飼育日数が75日間以上、38日間以上平飼いされたもの等の定義があります。肉質は固めですが味があります。飼育に手間がかかるため、価格も高めになります。名古屋コーチン・比内地鶏・天草大王・はかた地どり・阿波尾鶏などがあります。
【銘柄鶏(ブロイラー系)】
若鶏に次いで出荷羽数約43%を占めます。飼料や飼育日数などに工夫を凝らし飼育されたもので、親鶏のどちらかもしくは両方がブロイラー系であるものがほとんどです。知られているものに、桜姫・華味鳥・純輝鶏などがあります。 これに対し、ヨコオのブランド鶏「みつせ鶏」や「ふもと赤鶏」は、親鶏がどちらもカラー種(羽が有色の鶏)である赤鶏系の銘柄鶏となり、国内出荷羽数のうちわずか約2%という国内では貴重な鶏です。
★こだわりの赤鶏~ヨコオのブランド赤鶏~
カラー種と呼ばれる羽が有色の鶏は、優良肉用鶏として認知されており、赤鶏もその一種です。
時間をかけてゆっくり育つのが特徴で、出荷までに約60~80日間かかります。
ヨコオでは、質の良い肉と味を追求した結果、親鶏をこの「赤鶏×赤鶏」の掛け合わせとすることにしました。
フランスにルーツを持つ親鶏(赤鶏)をヒナの時期に輸入し、育て交配させ、その卵を孵し育ったものが「みつせ鶏」や「ふもと赤鶏」となります。
鶏肉の品質を安定させるため、毎回親鶏となるヒナを輸入している、希少な一代限りの赤鶏です。
◆『みつせ鶏』
飼育日数が約80日間と長く、飼料にもこだわり、大麦や飼料米の他、米糠なども配合し、低カロリーでビタミンやミネラル豊富な餌を与えています。ほど良い歯ごたえのある食感と、コクがあり旨味が深いのが特徴です。塩焼きなどシンプルな味付けがおすすめです 。
◆『ふもと赤鶏』
柔らかい食感とクセのない風味が特徴です。「昔、家の庭先で飼われていたような鶏」というコンセプトのもと開発されました。飼育日数は約60日間で、アルファルファなどを餌に混ぜて飼育しています。ソースやハーブ類との相性も良く、様々な料理に使用できます。
★生肉の切り方のコツとおすすめ調理
それぞれの部位に適した切り方や調理方法のコツを知っていると、料理の幅が広がります。
◆もも肉の特徴と適した調理方法
肉の真ん中、膝の関節部分を境に上もも肉と下もも肉に分かれます。
・上もも肉:形が良いので、チキンカツ・ステーキ・ソテーなどに向いています
・下もも肉:食感がプリッとしており、小分けカットする唐揚げなどに向いています
✧熱していない冷たいフライパンに、油を引かずに皮を下にして置き、アルミ箔を被せ重しを乗せてじっくり焼きます。均一に肉に熱が伝わりパリッとジューシーに焼けます。
✧唐揚げは熱する前の油に入れ、肉と油を同時に温めながら揚げると、加熱損じもなく、美味しく仕上がります。
◆むね肉が柔らかくなる切り方
① 上の部分1/3ほどを切る
② 筋にそって縦半分に切る
③ 木の葉状にある肉の繊維に対して垂直にカット
✧むね肉は、疲労回復に良い水溶性の成分(イミダペプチド)を含みます。スープなどで食べると、溶け出した栄養分もしっかり摂ることができます。
◆手羽中開きの切り方
① 先の方を切り落とす
② 骨と骨の間の肉目に包丁を入れ、腱を切り、開く
③ 端の軟骨を切り落とす
◆手羽元チューリップの作り方
① 皮目のくぼみに包丁を入れ、骨に沿って回し、腱を切る
② 肉がついている太い方に向かって、骨に沿って肉をはがす
(又は、肉の太い方の腱に包丁を入れ、回しながら切っていき、
小さい方に肉をはがす)
★試食してみました
「もも肉の塩焼き」「むね肉のサラダチキン」「肉だんごのスープ」「どぶ漬けからあげ」を試食しました。
肉だんごスープは、油で揚げていないボイルされた2種類の肉だんごです。肉の食感を味わえるものと、ふわふわの柔らかい食感のものを食べ比べてみました。
どぶ漬けから揚げに使われている肉は、むね肉とかた肉の間にある部位で、これを油で揚げ、特製のたれに漬けてあります。
素材の肉そのものの味がしっかりしており、冷めても美味しくいただけました。
参加者との質疑応答
1日の処理能力はどれくらいですか?
鮮度を保つため機械化が進んでおり、1日あたりの解体処理はだいたい1万5千羽です。内臓を取り出すなども機械で行い、お肉になるまでの所要時間は1時間かからない程度です。また、細かい作業は人の手によって丁寧に行っています。
一羽丸ごとで購入はできますか?
「みつせ鶏」や「ふもと赤鶏」の取り扱いのある店舗に言っていただければお取り寄せできます。
★一羽丸ごとを美味しく食べられる「丸鶏レシピ」を教えていただきました♪
★感想などアンケートの声 (一部)
- 鶏肉の切り方、種類、各部位の色々な事が聞けて勉強になりました。
- 赤鶏=地鶏のイメージでした。鶏のうまみが濃く、塩のみの味付けで良いとのことでしたの
- 甘味があり、肉が柔らかい。肉そのものの味がすごく良かった。
- 赤鶏は固い鶏肉のイメージでしたが、弾力性があり、美味しい鶏本来の味がしました。
- 今までは味付けをして食べることが多かったのですが、肉の持ち味を生かした調理をしたいです。
- で、シンプルに塩焼きで食べてみようと思います。
- 試食の食べ比べでは、他社より味も歯ごたえも良く、美味しくいただけました。
- 鶏の系統についてのお話が参考になりました。みつせ鶏とブロイラーとの食味の違いがよく分りました。
- 赤鶏に対する情熱や、自信を持って高品質の鶏を売っているのが伝わりました。
企業情報
佐賀県鳥栖市山浦町1239番地
TEL:0942-82-5125(代)
FAX:0942-82-5626
HP:http://www.yokoo.co.jp/
★オンラインショップ(みつせ鶏本舗):http://http://mitsuse.shop-pro.jp/